このトキメキはいつになっても変わらないまま
ならば、貴方に堕ちたあの日から、貴方の愛も変わらないと信じても良いですか?





相変わらずの
フォーリンユー





「あれ?」



自分の爪を見て、ある事に気付いて思わず呟けば


「どうしたの、名前」


隣にいた白蘭が、私に視線を向けた


「いや、気付かなかったけど、随分爪が伸びたなぁって」


自分の右手の爪を左手で触りながら言えば


「あぁ、確かに伸びてたね。昨日なんかは流石の僕も痛かったよ」


白蘭は、私の左手を掴んで、爪を見ながらそう返事をした


「え、何で白蘭が私の爪の長さまで知ってるの?もしかして昨日、間違えて引っ掻いちゃったとか?」


でも私には白蘭を引っ掻いた覚えはない


「あれ?もしかして名前、覚えてない?」


なのに白蘭はひどく意外そうな顔をした


「・・・うん」

「あー、そういえば、昨日の名前は、最後の方はヘトヘトだったから、覚えてないのも無理もないかもね。ただ、もうちょっと体力を付けてくれると僕も助かるんだけどな」

「え・・・ま、まさか」



妖しく笑う白蘭とは対照的に、その意味がわかった私は顔に熱が集まって真っ赤になった



「名前が思い出してくれた所で、昨日の続きする?」

「なっ!」



真っ赤になった私をからかう白蘭
(絶対、面白がってる!)



「えっと、私、爪切り探してくるから」



これ以上、この男の側にいるのは危険だと判断して、逃げようとしたのに
一足早く白蘭に腕を掴まれてしまった
(さ、最悪だ!)



「名前、一体どこ行くの?爪なら僕が切ってあげるけど?」


そう言いながら笑う白蘭の手の中には何故か爪切り


「げっ」


その状況に私が絶句していると、白蘭は勝手に私の爪を切り始めた


「ちょっと白蘭!」

「はいはい、名前、暴れたら危ないよ?」


有無を言わせない白蘭の態度に、抵抗する術をなくした私


仕方なく大人しくしていると白蘭は器用に私の爪を切っていく


後、残りは左手の薬指と小指だけ
無事に終わると思えば、いきなり白蘭は



「君のココ、僕が予約ね」
と言って私の左手の薬指をカプッと甘噛みした



「っ!」


そして驚いて固まる私に


「ほら、名前の爪も切った事だし、昨日の続きするよ。これで僕も痛くないし」


目の前の白い悪魔は、それはそれは素敵な笑顔でそう言った



(その姿に心臓がドクンと高鳴ったのは秘密!いつまで経っても、白蘭の姿や仕草に慣れないのは、白蘭がかっこよすぎるからだよ───だから私の心は貴方に恋したあの日のままなんだ)

(背中に残る爪痕のように、君が僕に残す痕ならいつだって大歓迎だよ───ただ、ソレを理由に君に触れるのも悪くないと思った
何と言っても、君の左手に触れるのも、その薬指を飾るのも僕だけだからね)


Title
夜風にまたがるニルバーナ



END