君の一瞬だけ見せる哀しみに歪んだその顔も、今にも瞳から零れようとする涙に堪えるその顔も、全部僕のもの──




まる
(一生、離さない)





纏わり付く女を適当にあしらいながら、大切な子を待つ


思った通り、直ぐにドアが開いて、その先には驚いた顔をした後、見知らぬ女の姿に悲しそうに顔を歪めた名前がいた


(もう、何度目だろうね。名前のその表情)


悲しさより、怒りに満たされたような僕に向けられた瞳に、自然と笑みが漏れた



「名前、遅かったね」



未だに纏わり付く名前すら覚えてもいない女の腕を振り解き、名前に声をかければ、隣で僕の恋人気取りだった女は抗議の声をあげる



「もう君は用無しだよ」



殺されたくなかったら出て行ってね、と


耳につく甲高い声にうんざりして告げれば、女は名前を睨んで、部屋を去った



「ん?名前、どうしたの?」

「・・・」



女の去った後、固まったままの名前に、声をかけても彼女は俯いたまま微動だにしない



「名前」



返事をしない名前の身体を無理矢理引き寄せて、身体を密着させる


聞いてる?、と顔を覗き込んでも返って来ない名前の言葉に、焦れったさを感じて、名前の身体に手を這わせた



白い首筋に舌を這わせると、僅かに漏れだす名前の甘い声




「・・・もう、止めたい」



でも、次の瞬間、苦しげに名前の口から漏れた言葉は予想外の言葉



「・・・」

「もう、白蘭の事なんて、嫌い・・・大嫌い」



今にも涙が零れそうな瞳で僕を見上げる名前



「そう、なら仕方ないね」



思い通りに行き過ぎて思わず漏れた自身の笑み


僕を求めて泣きそうなその顔が、僕を想って辛そうに歪められたその表情が見たかったんだよ


(だって、僕だけが想い過ぎてるのは不公平だろ?)



◆◇◆◇◆




名前が僕の元を去って二週間
何時、彼女が帰って来ても良いように、名前だけは何時でも僕の部屋に通せるようにしておいた



「白蘭、」



二週間後になってようやく、躊躇いがちに開かれた部屋のドア



「久しぶり」



お帰り、の意味も、待ってたよ、の意味を込めて名前に向かって笑いかければ



「白蘭、私、可笑しいみたい・・・あんなに浮気みたいな事されて、大嫌いだって、そう思ってたのに・・・こんなにも白蘭が好きだなんて」



不安そうに、そう言葉を紡ぐ名前
そんな名前に、ゆっくりと近付く


二週間も、何してたの?とは今は聞かない
僕を忘れようと、無意味なのに必死になってた名前が愛おしくて



「知ってる、そう仕向けたのは僕だから」



思わずその唇を塞ぐ
唇を甘噛みして、閉じた唇を開けさせれば、そこは直ぐに僕の舌を受け入れた



力が抜けたのか、座り込む体制になった名前の身体を押し倒して、上に跨がる



「白、蘭」



二週間振りに僕の名前を呼ぶ名前


(自分で君が嫉妬するように仕向けた僕だけど、ずっとその声を聞きたくてしょうがなかった)


もっとその声を聞かせて欲しいと、名前の服の中に手を入れて胸の飾りを刺激すれば



「や、ちょっ、」



戸惑いながら名前が声を漏らす
その様子に煽られるように、彼女の下に片手をゆっくりと降ろして、中に直に触れる



「名前、早く濡れてくれない?」



二週間振りに抱く愛しいその小さな肢体に、歓喜する僕の身体は抑えられそうもない


もう入れたいんだよね、と耳元で囁けば、名前の中から蜜が溢れ出した



「良いよ、もう来て」

「名前?」



名前は熱に唸されるように、僕を受け止めようと、その細い腕を僕に向かって伸ばす



「もう、平気だから・・・早く白蘭を感じたい」



その一言に思わず自分の心臓が一瞬だけドクンと跳ねた気がする


おそらく驚いた顔をしていたであろう僕に、名前が酷く柔らかく微笑んだから、その唇に口付けずにはいられなかった


入れるよ、と告げて、名前の中に自身を挿入する



「んぅ、あ、」



流石に久しぶりだからか、それとも、まだあまり濡れていないためか、名前は痛みに顔を歪めて


その瞳からは生理的な雫が零れ落ちた
ソレを、舌で舐め取る



独特の水音を立てながら僕を飲み込もうと、締め付ける名前の中



「あ、・・・ふぁ、っ、ん」



じっくりと中を擦りながら名前の全てを味わい尽くすかのように、奥へ奥へと侵入する



名前が逃げないように腰に手を添えて固定すれば、奥の壁に到達して、


中を突き上げながら名前が壊れないように優しく、その身体を揺さぶれば益々名前の中は僕を締め付ける



時折、甲高い嬌声を上げながら、僕に縋り付くかのように名前の腕はまわされた



「白、蘭・・・私を、愛してないなら・・・それ、でも良いから、っ」



苦しげに、それでいて願いを乞うかのように潤んだ瞳で僕を見上げる名前


そんな名前の言いたい事を理解して、それ以上は言わせないように唇を塞ぐ


(捨てる訳がない・・・僕はずっと君しか求めてなかったというのに)


驚いて見開かれた名前の瞳と視線が交わる


離れた後、二人を繋ぐかのように銀色の糸が紡いで、名前の顎をどちらの物ともわからない水滴が伝う



「あ、・・・あぁ!」



キスの余韻に浸る名前を余所に律動を再開すれば、おもいっきり名前の中は僕を締め付けた


気を抜いたら今にも射精してしまいそうな程に、名前の中は熱く甘い


何度もピストンを繰り返せば名前が何度目かわからない絶頂を迎えて、その締め付けに、僕も中に熱を残らず注ぎ込む


息が中々整わず、肩で息を続ける名前の耳元で愛してる、と囁けば、名前は泣きながら笑った



(名前、君は知らないだろうけど、想い過ぎていたのは本当は僕の方だったんだよ)



END




TO:恋さん!
えっと、白蘭視点ってこんな感じで良いんでしょうか(汗)本当に、人様のリクを汲み取るのが苦手で申し訳ないです(泣)恋さんのみ、煮るなり焼くなり苦情なりお好きにどうぞ(土下座)勿論、書き直しも承ります(笑)