がやがやと賑やかな夕食の時間もとっくに過ぎて、珍しく用事があるから後任せるねと帰宅したおばちゃんを見送った後、一人食堂にてかちゃかちゃと食器を片していた。


「これ片したら、明日の塩漬を出して、テーブル拭いて……よし、仕事はそんくらいか。終わったら風呂入ろう」
「私も入るが、そうだ一緒するか!」
「おわっ!!?」


いきなり声をかけられて、非常にびくっとしつつも聞き覚えのあるやたら明るい声の主を見遣ると、食堂の入口にもたれ掛かった七松がニイッと笑っていた。


「ハルは驚きすぎだな!」
「ちょ、あの、もう夜なんで静かに……」


一人でも十分に騒がしい七松窘めようとすると、バタバタと別の足音が耳に入る頃には、もうぞろぞろと六年生が食堂に顔を出していた。一人、異様に泥だらけですが。


「あれ、今日はおばちゃんいないんだ?」
「あ、はい。先に帰られてしまって。皆さんは、」
「俺たちは試験帰りでな。この前、五年生以下は座学の試験があったろ」


聞くに六年生ともなれば座学の試験はカンニングが平生なので、このように個々に実技試験が渡されるらしい。


「ああそういえば六年生だけボーロ無かったっけ」
「! ボーロ、だと」


ピクッと中在家さんが反応してきた。なんだろう、ボーロ好きなのかな。




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