「………ふう」


やっぱり無理でした。

ホントどうしようと膝を抱えていると何やら話し声が聞こえたから立ち上がってこちらも声を張り上げる。


「誰か、いっ!?」
「うわあああっ」


ドスンとまた落ちてきた。
ううと唸りながら強く打ったのであろう腰を撫でているとある男の子。初めて見るけど乱太郎と同じ制服だから一年生なんだろうな。
ともかく、同じ穴のムジナという訳で声をかけてみた。


「だ、大丈夫?」
「あまり大丈夫じゃないです……背中を打ちました、ってあれ」


先客がいたのは初めてだ〜とその子は少しだけ顔を明るくさせた。


「食堂のお姉さんじゃないですか、今日エキサイティング〜」
「(今エキサイティングって言った?)え、えっと君は……」


顔に縦線の入った特徴的な子は、鶴町伏木蔵と名乗った。すごい名前だな。


「お姉さんも初日から落とし穴に嵌まるなんて、僕たちと同じく不運ですね」


不運ってなんのことだと疑問符飛ばしていると、鶴町くんが色々教えてくれた。委員会のことについて。


「へー! 委員会なんてあるんだ!」
「会計用具に作法図書、体育生物に火薬に学級委員長委員会、そして僕が所属している保健委員会は不運な生徒が集まるといわれているのです」
「ほー」


現代っぽくて面白いな。と興味を持っていると鶴町くんの頭上にコツンと白いものが落下してきた。バウンドしたそれを掴んでまじまじ見る。





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