小船に乗ったままの三人組は、なんか揃って顔に傷があった。しかも金髪だったり灰色だったり変にチャラいよ……ていうか何故バンダナ? もう何がなんだかわからない。 どっちにしろ私は●●されてしまうのではないかと、血の気が引いてぐるぐる混乱していると茶髪パーマのお兄さんが私に呼び掛ける。
「おーい! そんな所で何してるんだ、女の子一人じゃ危ないよ!」 「ヨシの兄貴、親方の所に連れていってあげた方がいいんじゃないですか。」 「でも誰が陸に上がる? おれやだよ。」
さっき吐いたばっかだもん等と言いつつ金髪が苦い顔をすると、彼らではない別の男の人の声が響いた
「おお〜い、そこの女の子ー大丈夫だったかー?」 「あ、親方きたわ。」
ぶんぶんと手を振りながらこっちへ小走りでやってくる、マリオブラザーズのような立派な髭を持ったおっさんが近付いてきた
「あ、はい、大丈夫です。助けてくださって本当にありがとうございました。」 「礼はいいよ、俺らの仕事だから。ところで君は見慣れない格好してるけど、どっから来たんだ? 南蛮か?」 「南蛮? いえ普通に日本の――」
自分の住んでいる地名を言うと、彼はますます不思議そうな顔をして、そんな地は聞いたことないなあと頭を掻いた
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