今度は小鉢おまけして下さいよ! などと絡んでくる二人組の六年生は中々カウンター前から離れない。
ちょっ君ら邪魔なんだが! 見ろ後ろ! 一年ろ組の子がオーダー出来ないでいるだろうが、気が小さいから大声で言えないんだぞアレ!


「ちょ、あの後ろに……」
「後ろに?」
「「おい」」


ぎょっとした。
いつの間に現れたのか、ガシッと背後から二人の肩を掴んでいるのは。


「なに馴れ馴れしく“ちゃん”付けしてんだテメエ」
「その目は節穴か。一年とハルさんが困っているのが見えんのか?」
「う、食満、立花!」
「いたたた! わかったわかった! さっさと帰るよ!」


ぺこっとわたしに頭を下げると、逃げるように食堂から去る彼らの後ろ姿を、物凄い目で睨んでいる食満立花ペア。こっ、怖ええええ!!! 立花くんなんか美人は怒ると怖い、ってのをモロ表現している!


「平太も怪士丸も、悪かったな」
「食満先輩、立花先輩ありがとうございます〜」


くるっと一年ろ組に体を向けると、何故か食満は一人の男の子を抱きかかえた。ナチュラルすぎてツッコミ入れ忘れた。


「ハル、平太は俺んとこの委員会の後輩でな!」
「ああそうなんだ! 初めてお話しますね、」
「下坂部平太です〜……お姉さん、Bランチお願いします」
「はい平太くんはBね。そちらの君もたくさん食べてね」


カウンターから身を出して話し掛ける。だってこの子、怪士丸くん。めちゃめちゃ痩せてるんですよ。もっと太れ、わたしの肉を分けてあげたい。




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