※暴力表現あり
別れよう。そういうと容赦なく腹に仁王の蹴りが決まった。
曲がりなりにも女の子なんですけど。
あまりに綺麗に入ったせいで、膝の力も抜けてしまったらしい。
テニス部で私が毎日磨いているからぴかぴかな床に崩れ落ちた。
目の前には新品のローファー。
踵が潰されていないから、一体誰のだと考えてみたが、あーそういえば今朝嬉しそうに言ってたっけ、ローファー新しくしたんだって。
ゴミ1つついていないローファーがさらに顔面に寄った。
「舐める?」
「誰が」
「名前が」
「馬鹿言うな」
力が入らない。
全く、なんていい蹴りを入れてくれたんだくそったれ。
腹がビリビリと痺れていやぁな感覚。
一緒に動いてくれなくなった首をなんとか遥か上から見ている仁王の方に動かした。
「別れんぜよ」
「別れよう」
「いやじゃ」
床に転がる私の腹に再びローファーがめり込んだ。
痛いってば。
「別れん、別れんぜよ」
あー、涙出てきた。
吐き気も一緒にですか。
これが生理的な涙ってヤツ?
咳き込みながら仁王を見上げる。
仁王は、
「絶対に手離したりなんかせんよ」
至極楽しそうな顔をしていた。
くそったれが。
痛いね、
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