チャイムで目が醒めた。
あーあ、ノート真っ白。
まだ頭が覚醒せん。
腹減った。
サイレントな携帯がちかちか光っとる。
メール?開けば波野先輩から。
思わず口元が緩みそうになって周りを見回す。
メールを2度見。え?

「なんなんコレ」

早く探さないでください。
日本語がめちゃくちゃや先輩。



「謙也さん、波野先輩います?」
「波野?いやおらんけど」
「なんで知らんのです…」
「なんで俺がいちいちアイツの行動知っとかなあかんねや」
「使えへん」
「おぉい!」

同じクラスなんに。
波野先輩から目ぇ離すなんて、あの可愛さならありえへんのに。
全く謙也さんの目は節穴や。
あー、なんで一年遅く産まれたんやろ。
いや、クラス一緒やからって羨ましいなんて思ってへん。
全く思ってへん
。嫉妬なんかやないし。

「波野なら、昼休みになった瞬間どっか行きよったで」
「なんで知ってんスか」
「同じクラスやからな」
「…あざーした」

同じクラスだからって。
部長の阿呆。
波野先輩は俺の彼女や。
あー、なんで一年遅く産まれたんやろ。
いっつも置いてきぼりは嫌や。



中庭、空き教室、部室。
どこにもおらん。
もう少しで昼休みが終わる。
どこおるん、波野先輩。
屋上の扉を開けたら、柵にもたれ掛かる波野先輩発見。

「波野先輩、おった…!」
「ぶーっ!」
「え、」

声をかければ、いつもみたいには笑ってくれず。

「いくらなんでも時間かかりすぎ」
「それは、」
「言い訳はいいからもう一回!えいっ」

つかつかと歩いてきたと思ったら思いっきりデコピン。
ぐわん、と歪む。



チャイムで目が醒めた。
あーあ、ノート真っ白。
まだ頭が覚醒せん。
腹減った。
サイレントな携帯がちかちか光っとる。
メール?開けば波野先輩から。
思わず口元が緩みそうになって周りを見回す。
そして俺は屋上に走り出す。


リミットまで37分




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