青そら | ナノ
×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -
▽ 3

玄関まで送ってくれたみんなに手を振って別れると、門の所で銀さんが立ってた。
何時もの格好でヘルメットを2つ持ってるところを見ると、迎えに来てくれたんや。小さい事やけど、なんか嬉しい。

「銀時さん、お待たせしました」
「おう…って、お前何その格好」
「?あ、これですか?稽古の後にお風呂入らしてもらって、その時総悟が貸してくれたやつです」
「…へーぇ。ホイ乗りな」

暫くじとっと私の格好を見てから、銀さんはヘルメットを被って原付に跨った。
私もそれに倣って後ろに乗る。けど、発車する気配がない。え、何で?
すると銀さんがくるりと振り返って私を見た。何処か呆れたような顔してる。

「お前バカですか?捕まってねーとフッ飛ばされっぞ?」
「……え?」
「ホレ、ちゃんと俺の腰に腕回せ」
「!?」

いきなり手掴まれたと思ったら銀さんに後ろから抱き付く感じにされた。顔が銀さんのでっかい背中に当たる。
恥ずかしいけど、原付の所為にしてちょっと凭れ掛かってみる。あーあったかい…。

「んじゃ、しっかり掴まってろよ?」
「!うわっ!!」

うわわわわわわわ速い速い!!原付けっこースピード出る!耳元で風がビュンビュンいうてる!私バイク乗ったん初めてやねんて!この感覚慣れへんねんてェェエ!!

「はわわわわわわわわわわわ!!」
「え、ちょっオイ、密着度ハンパねーんだけど、めっちゃギュウウウってなってんだけど!」

銀さんが何か言うてたけどよく聞こえんかった、ってかそれどころちゃうかった。
もう無我夢中で銀さんにしがみ付いて、早く万事屋に着く事を願った。
走る事5分、漸くその願いは叶った。

「ホレ着いたぞ」
「ぜー、はー…あ、ありがとうございます…」
「え?何、そんなゼーハー言う程怖かったの?もしかしてバイクダメ?絶叫系ダメ?」
「断じて怖くないです慣れへんだけです絶叫系余裕です寧ろ大好きですっ」

自分でもびっくりなくらいノンブレス。ってか思いっ切り素が出ちゃったやん、キャラ変わってるし。息整えてたら頭のヘルメットが取られて、銀さんが私の顔を覗き込んできた。

「…お前、そんな顔もできんじゃねーか」
「?(近…)」
「普段からそんな顔してろよ、明るく見えんぜ」

あわわわ、銀さんのエロスマイル出ましたー!めっちゃカッコええ!
とりあえず返事はしといたけど、暫く銀さんの顔は恥ずかしくて見れへんなと思いました。アレ、作文?


   *  *


何なんだろうな、何であんなに自分を下に見るんだろうな。
今朝の事だって何となく分かる、同じ女としてスタイルのいいあの納豆女見て落ち込んだんだろ?
何そんな気にする必要があんだよ。もっと自信持てよ、お前だって充分可愛いじゃねーか。
此処に来る前にお前に何があったかは分からねェ。だが前居たトコと此処は違うだろ?
前見てみろよ。俺も新八も神楽も定春だって、お前を見た目だけで決め付けちゃいねェぜ?

我侭言ってみ?マジギレしてみ?大泣きしてみ?


腹の底から、笑ってみ?



NEXT

私の中で一番お気に入りの夢主なので、可愛いと言われまくってもらった回。
ぱっちりおめめは私の友人をイメージ。

prev / next

[back to list]