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 名は体を表すという言葉を思い浮かべて賢くんの顔を見る。そして彼の返って来たテストの結果を見る。溜息を漏らしたら文句を言われたがこっちだって言いたいことがある。
「賢くんの親御さんはどういう気持ちできみの名前を考えたんだろうねえ」
「そ、そういう心にくるのはやめて……!」
 上から数えるのと、下から数えるのだと下から数える方が早い。とっても残念というわけではないのだが、彼の立場を考えると良いにこしたことがない。
「これ以上成績下がっちゃうとボーダーとか、広報の活動とかに対しても何か言われちゃうんじゃないかな」
 一応学生の本分は勉強なんだしさ、いつまでもボーダーが続いていく保証なんてないし。もし大学行くんだったら成績いい方が選択肢も増えるし。だからなまえねーちゃんに頼りに来たんだよ、なんて嬉しいこと言ってくれるじゃない。
「同じ隊の人たちは成績いいんでしょ。賢くんと同じぐらい忙しいのに」
「う、うん」
「なら、忙しいってのはこの成績の理由にならないね。賢くんは何をしてたんだろうね」
 畳みかけるように笑みを張り付けて述べるともうやめてください……と言わんばかりに賢くんはうずくまった。……さすがにいじめすぎたか。だって最近ボーダーがボーダーがって私のところになかなか来なかったんだもん。久々に会えたらそりゃつつきたくもなってしまう。これはみっともないけど私の八つ当たりだ。賢くんは私のこと姉ちゃんと呼んで慕ってくれているが私はまだまだ大人になりきれてない、彼と大して変わらない子供だ。
「……まあ、そんなことぐちぐちいうのはこれでおしまい。私でよければ賢くんの勉強の面倒見るからさ。元気だして」
「なまえねーちゃん……!」
 さっきまで私が責めて沈んでいたというのにあっという間にこの明るい表情だ。本当、単純なんだから。私もそれぐらい単純で真っ直ぐになってみたいものだ。いや、今度から賢くんに勉強を教えるから会う日が増えると喜んでる自分も大概単純なのかもしれない。さて、可愛い幼なじみのために一肌脱ぐとするか。

20140901