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「#エロ」のBL小説を読む
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「なまえちん、まだー?」
「もう少しだから」
 なまえちんのもう少しはあてにならない。それさっきも言ってたし、そんな文句を垂れてもなまえちんはパソコンの画面を眺めて生返事をするだけだ。つまんないの。
 なまえちんは講義やらバイトが忙しくて、オレはバスケで時間が潰れて、やっと二人のオフが被ったと思えばこれだ。レポートって何だし。課題なんて放っておけばいいのに。あ、これバレたらいつも教えさせているのは誰なんだって室ちんに怒られそうだな。室ちんはおっかない。
 ほんと、つまんない。お菓子はいつもより早いペースで食べ終えてしまったし、雑誌見てても全然面白くなんかないし。オレはなまえちんといちゃいちゃしたい。いつも会えない分を補給したい。本当はいつも会えた方がずっといいのだけど。
 なまえちんはそう思ってないのかな。くっつきたい、食べたいって思っているのはオレだけなのだろうか。うわー、何か今のオレすごく女々しい。ぜんぶなまえちんのせいだから。
「なまえちんー」
 何度目かわからないオレの問い掛け。なまえちんは相変わらずパソコンとにらめっこ。うん、もう我慢の限界だ。オレ悪くないし。ずっとおあずけ食らわせているなまえちんが、なまえが悪い。
「え、ちょっと敦」
 オレなんかよりずうっと小さいなまえの体を抱きしめる。最初の頃は潰れてしまうんじゃないかとか、色々力加減が大変だったが今は慣れた方だ。やっとこっちを向いた。でもこれだけじゃ許してなんかやらない。
 久々に触れたなまえのほっぺはやわらかかった。ほっぺに触れたのはオレの唇だけど。なまえは突然のオレの行為に目を白黒させている。顔は真っ赤だけど。かわいい。なまえは真っ赤な顔でこちらを見てくる。それ、睨んでるつもりなのかな。全然怖くないよ。
「敦は、ずるい」
「なんで?」
 人がせっかく我慢してるのに、それを簡単に越えてきちゃうなんて、ぼそぼそと不満げになまえが紡ぐ。なまえが我慢してることって何?もしかして、なまえもオレに触りたかったの?と聞くとそういう言い回しをするんじゃないと肩を叩かれた。でも否定はしないんだ。なまえも、オレに触りたかったんだ、そう思っただけで何だかさっきまでのイライラがどっかに行ってしまう。本当は、ちょっと触るだけで我慢してあげようかと思ってたんだけどなまえも同じなら、いいよね?
「ねーなまえ、食べてもいい?」
 もう、おあずけは食らってやらないよ。

20121009