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「あんたって何でそんなに食べてるのに太らないの」
「さぁ?」
答えになっていない返事。部員の体調を管理しないといけないマネージャーの私にとっては色々困るんだけど。部員の体調管理と言っても他のレギュラー勢は放っておいても特に問題ない。こいつ紫原だけが食生活が異常で常に見張ってないといけないから面倒なのだ。
「あんたが食べた物のカロリー書き記して監督に提出してるんだけど」
「あぁだからなまえちんいつも俺の食べたお菓子のごみ引き取ってたんだ。てっきりそういう趣味だと思ってた」
「そういう趣味ってどういう趣味よ。運動時の消費カロリーとか差し引いても明らかに食べ過ぎ。これで何でその体型維持しているのが不思議なくらい」
でも俺体重結構あると思うんだけどなー。間の抜けた調子で目の前の奴は言ってるけどそれはあんたが2m超えの大男だからよ。こいつは平均体重超えていると太いって思うタイプか、女子か。
中学の頃チームメイトにのし掛かったら潰れたって……その人、御愁傷様です。いや、今はそんな事を言ってる場合じゃなくて!
「だから!食べても太らない原因をある程度判明させないといけないの。このままだと紫原の食事制限するからね」
「えー、脈絡がない上に理不尽ー」
嫌なら理由を考えろと吐き捨て先程まで奴が食べていた菓子の袋を見る。うわ、何このカロリー信じられない。最近はこれを書いてるだけで食欲が失せる。おかげで何キロか落ちたがそういえば数年前に似たようなダイエット法が有ったなと思い出す。
「なまえちーん」
「何、思い当たるものでもあったの?」
私の問い掛けに横に首を振る目の前の大男。おちょくっているのかこいつ。
「何、食事制限される気にでもなったの?」
「そんな気ねーし。発想を逆にして今から太らない理由をつくればよくね?」
「…紫原にしてはまともな事言うのね。で、どうするの?」

「えっとね、なまえちんとえっちするの」

思考停止して数秒、意識が戻ってきた。何て事いうんだこいつ。頭まで糖分諸々に侵食されてるのだろうか。
「そうすれば今より運動量増えるしいいでしょ?」
「は、ちょっと待て何で腰掴んでるの私じゃなくてもいいじゃん。紫原ならきっと色々な子捕まるよ良かったね」
「何でそういう事言うのなまえちん以外とえっちしたくないし」
ギリギリと腰に力を籠められる。もしかしてこいつ怒っているのか。いやいやマネージャーは選手の為に何でもする訳じゃないんだぞ。恋人でもないのにそういうことは出来ない。
「ね、なまえちんは俺とえっちしたくないの?」
少しばかり声が震えている。そんな顔で覗き混むんじゃない。可愛いとかそんな感情が過る。別にこいつとそういう事をするのが嫌ってわけじゃなくて。
「……順番が違うし、監督命令とはいえ好きでもない奴にこんな色々しないから」
「そっか、好きだよなまえちんー」
「…それはどうも」

20120406