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「#エロ」のBL小説を読む
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「敦くん、座って」
放課後になり静まる教室。今日は久々のオフ。せっかくだしクレープでも食べにいこうかなと考えていると付き合いたての彼女、なまえの指示。理由はわからないが特に拒否する理由もないので大人しく座ることにした。俺が座るとなまえは嬉しそうで、それでいて恥ずかしそうだ。可愛い。でも理由はさっぱりわからない。
なまえは俺の背後に回る。なんだろう、いたずらでもする気なのだろうか。なまえのいたずらはきっとかわいいんだろうなー。
色々のろけていると後頭部に何かが触れる。ふりむくとなまえは恥ずかしそうに唇を押さえていた。あ、もしかしなくてもキス?でも何で後頭部なんだろう。
「え、えっとね。ずっとしたかったんだけどはずかしくて、ね」
無言で見つめていると急に焦って訳を話し出すなまえ。後頭部にちゅーが憧れだったみたいだけど普段の俺にするには到底無理だから座らせたんだって。別に怒ってないよ。……にしても、何だろうすっごくかわいい。おれこの短時間で何回心の中でなまえかわいいって言ってるんだろ。でもなまえ本当にかわいいから仕方ない。あ、また言っちゃった。
「ねー、こっちにはしてくれないの?」
そんな後頭部とかじゃなくて、正面にしてほしいな。なまえの顔を見ながらしたいよ。そう言うとみるみる顔が真っ赤になるなまえ。あははー、りんごみたい。
「わっ、」
なまえを引き寄せ膝に乗せる。先程よりも近い距離に慌ててるみたいだけど、さっきのなまえの方が大胆だと思う。降ろしてと言わんばかりに見つめているがそれが逆効果なのはわかってないみたい。
「ね、なまえちんからして?」
したら離してくれる?と聞かれたのでその辺は曖昧に答えておいた。なまえのかわいさ次第では逆に離せなくなるかも。なまえからしてくれない限り離さないと言うと決心がついたみたいだ。
頬に掠めた感触。……ほっぺかぁ。まぁたしかに正面じゃないこともないし降ろしてあげようかなとなまえの顔を見るとそんな考えはどこかにいった。
真っ赤な顔に震える体、極めつけはうるっうるの目。……うん、これを手離す訳にはいかない。
「あーあ、なまえちんのせいだからね?」
話が違うと文句を言われるがしばらく離せそうにない、クレープ屋の閉店に間に合うようだったらなまえにおごってあげようっと。

20120328