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「#エロ」のBL小説を読む
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※生理ネタです。キャラの学校などが明らかになる前に書いたので女子校設定になっています。

 そろそろだとは思っていたのだが、いざ来るとやっぱり面倒くさい。しかもよりによってあれを忘れてしまうなんて。
 女子校だからということもあっておおっぴらに貸してくれ、という子も中にはいないこともないが私はあまりそういうことをしたくない。そうなると私は彼女に頼るしかないのだ。

「柚宇」
「なまえだ、どうしたのー」
 わざわざ私に会いに来たの?忘れ物でもした?柚宇の問いに対する答えは後者だ。柚宇だってなるものなのに改めて今それですとわかってしまう発言をするのはなかなかに難しい。
「ナプキン、貸して」
 ぼそり、周りには聞こえないであろう声量で呟くと柚宇はわかったとうなずき鞄を取りに行った。柚宇の鞄には私とお揃いのキーホルダーが佇んでいる。先日よくわからないノリで購入したのだ。もちろん私の鞄にもそれはぶらさがっている。柚宇は鞄の中をごそごそと漁っているがちらほらゲームに関するものが見受けられる。この子授業中までいじってないだろうな、まさかな。いつぞや私が選んであげたポーチを手にしたと思えばそれは私の手元に。これが私の欲していたものだ。やっと不快感から多少ではあるものの逃れることができる。
「痛み止めもいる?」
「あ、じゃあ一応」
「はい」
 私の手には普段は使っていないポーチとピルケース。普段はこれ柚宇がそういうときに使っているんだよなあ。当然のことなのになんだか特別なことに感じる。これから私がこれを使うんだ、理由はわからないのだが変にどきどきしてきた。柚宇は柚宇で私のこと見てくるし、何だろう。私が変なこと考えてるのがばれたのだろうか。

「なまえが生理だからしばらくえっちできないね」
 ざんねーん、けらけらと柚宇は笑う。何がおかしかったのかは理解できなかった。私の考えが見透かされてないことには安心したが柚宇の声が思いの外大きかったのでばか!とつい声を荒げてしまった。なんのためにこそこそここまで来たのやら、聞こえていたであろう人には怪訝な目で見られてしまったし。柚宇はごめんごめんと軽く謝るだけで誠意なんてどこにも見当たらない。
「おわったらいっぱいしようね」
 やっと声を抑えたかと思ったらこれだ。柚宇の顔を見やればしてやった、とでも言いたげだ。約束だよ、ご丁寧に指まで絡められてしまった。それで満足したのか柚宇はとっとと自分の席に戻っている。たしかに私の用は済んだがその後好き勝手して気が済んだらこれとか本当に自由な奴だ。しかし、そいつの発言に舞い上がってしまっている私は彼女以上に困った奴だ。とりあえず約一週間後の楽しみを胸に抱いてこの下腹部に抱えた憂鬱を乗り越えることにしよう。

20140715