バウヒニアの花言葉 | ナノ



※モブお兄さん注意


「アーサーさん大変!なまえが帰ってこないノ!」

今にも泣き出してしまいそうな顔の湾が俺の元に駆け込んで来たのは午後4時を過ぎた頃だった。
最寄りのコンビニまで1人で飲み物を買いに出掛けてから、もう1時間以上が経過しているらしい。

「連絡も取れないのか?」
「うん、さっきからやってるけど全然ダメだヨ…」

湾の携帯を覗き込めば、送信したメッセージは未読のままで。
返信もなければ電話にもでないようだ。

「どうしよう…私がなまえをひとりにしちゃったカラ…!」
「お前のせいじゃないだろ。」

なまえに何かあったらどうしよう、と泣き出してしまった湾を落ち着かせるべく頭をぽんぽんと優しく叩く。
あの馬鹿、土地勘も無いのに勝手な真似しやがって…。

「大丈夫、みょうじはこの俺がちゃんと連れて帰るさ。そのための責任者だからな!だからお前はここで菊や耀と待ってろ。」

元ヤンなめんなよ、と冗談っぽく笑って見せたら彼女は涙をぬぐい頷いてくれた。

妙な胸騒ぎがするんだ。
どうか、どうか道に迷っただけであって欲しい。
もしあいつの身に何かあったら俺は…

言い知れぬ不安をかき消すように、一気に駆け出した。


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