バウヒニアの花言葉 | ナノ



1学期の終業式が無事に終わった夏の日の放課後、高校1年生1学期最後の部活のお時間、部室の扉に手をかけた。
入学から3ヵ月ちょっと、このわずかの間に本当にたくさんのことがあったよね。
入学早々クラスメイトのパシリにされるわ入る予定もなかった部活や生徒会に入る事になるわハマるつもりなかったジャンルにうっかりハマってしまうわ、ほんとに色々なことがあった。

そんな色々なことのあった1学期も、今日で終わり。
少し寂しいようなやっぱり明日からの夏休みが楽しみなような、なんだか複雑な気分だ。

「合宿に♪」
「ヴェー♪」
「行きましょう♪」
「ヴェヴェヴェ♪」
「みんなで行きましょう♪」
「パースター!」

去りゆく1学期にちょっぴりセンチメンタルな気分に浸る後輩への本田部長とフェリ先輩の出迎えは、それだった。

「…お疲れ様でした。」

すぐさま私は今くぐったばかりのドアを再びくぐりそれを閉めた。
なんだろう…みんな締め切り明けで疲れてるのかな。

「戻ってきてくださいみょうじさん。早くミーティングを始めますよ。」
と本田部長に連れ戻されて出たばかりのドアを三たびくぐる。
抵抗しても無駄だと分かっているので従った方が楽なんです。
私は何事も無かったかのように所定の位置に座った。

漫研の部室は南校舎3階の西端の教室だ。
部室内には壁沿いに画材用の棚、漫画小説ラノベ同人誌のぎっしり詰まった本棚、型の古いデスクトップ型のパソコン、誰が着たのか分からない各種コスプレ衣装のかかったハンガーラック、そして中央には教室と同じ机が人数分対面する形で並べてある。
グラウンドが一望できる窓際の黒板側の席、本田部長の隣でフェリ先輩の向かい側が私の定位置だ。

「あれ?でもルート先輩まだ来てなくないですか?」

そういえばツッコミがいないなーと思い尋ねてみれば、いつもに増してご機嫌なご様子のフェリ先輩が教えてくれた。

「ふふーん!ルートはフランシス兄ちゃんに大事な用事があって呼び出されてるの!」
「ルートさんには既に詳細を伝えてありますので私達だけです。」

この様子から察するに恐らくフェリ先輩も既に今日のミーティングの内容を知らされているのだろう。
というか副会長からルート先輩への大事な用事ってなんだろうか。
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