文化祭当日。私の当番は明日だから、今日は1日回れる予定だったけど、なんやかんやで手伝ってたら遅くなってしまった。ありがとう!と感謝の言葉を背中に受けながら解放されたのはほんの数分前の話。みんなは今ごろ、どこを回ってるんだろう。


「あ、○○さん、」

「東先生」

「あきら、見なかった?」

「…見てないですね」


そっかあ…と言う東先生の手にはたこやきが二つ。大変だな、と思ってたら、塚原くんたちならさっき展示室で見たよ、と教えてくれた。多分、今行ってもみんなはいないと思うし、結局東先生と見つかるまで回ることに。


「先生、いました」


ついでにみんなも。教室に入る東先生について、私も入る。とりあえず一緒に見つかって良かった。


「あ!棗ちゃん!」

「…どうも」

「え、なになに!チョコバナナと知り合い?!」


あきらさんは私のバイト先の常連さんだ。だから東先生も私がバーで働いてることは知ってるけど別に悪いことはしてないし、何も言われない。今は週一の夜しかシフトが入ってないから会うことは減ったが、また行くねー!と手を振りながら東先生に連れてかれるあきらさんと別れる。


「はい」

「…ありがとう」


そういえばまだ何も食べてないんだった。悠太から貰ったチョコバナナを食べながら私たちはまた文化祭を回り始めるのだった。




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