いつからだろう。
小さい頃から家も近いしで、直接会って、一緒にいて、お祝いをすることが当たり前になっていた。
私が誕生日の時も、必ず二人は家に遊びに来てくれて、時刻が変わったその時に、一番最初に祝ってくれた。
それが暗黙の了解というか、恒例行事というか。
当たり前だと思い始めたのは、いつからだろう。


「お疲れさま」

「じゃあ、帰ろうか」


バイトが終わったその時間。珍しく祐希も一緒に三人で帰る。いつもならその足取りは私の家にと向かうのだけど、今日は違う。
うちじゃないの?なんて野暮なことは言わない。二人にとっても、きっと当たり前のことなんだと思う。
街灯に照らされた、薄暗い道を歩いて、着いた先は二人の家。こんな時間にお邪魔しても、おばさんは笑顔で迎え入れてくれる。これも、毎年のこと。


二人の部屋で特に何もすることもなく。祐希もマンガを読んでいるし、たまに悠太と会話をする程度。
刻々と、時間だけが過ぎていく。

ああ、眠い。
明日のお弁当は何を作ろう。
明日も学校が終わったらバイト行かなきゃ。

そんなことを考えてたら、もう時間まであと五分。相変わらずマンガに没頭してる祐希。ぼーっと外を眺める悠太。二人に買ったプレゼントは、喜んでくれるかな。
そんな反面、あとどのくらいこうしてられるだろう。いつまで一緒だろう。なんて、グレーな気持ちも生まれてくるのは私の悪い癖だ。


0時まで、あと10秒前。
心の中で、ゆっくりとカウントダウンをしていく。
……そうだなぁ、それでも、


「悠太、祐希、」



「誕生日、おめでとう」


「「ありがとう」」


今は、二人を一番最初に祝えることを、嬉しいと思う。




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