ああ、マズイ。この状況はとてもマズイ。
仕事が無いオフの日。兄も仕事が無いと言うので、彼の家に遊びに行った。
他愛のない話をしながら過ごせれば良かったのだ。
なのに。今、平和島幽の身体は熱く火照っていた。原因は分かっている。
兄、平和島静雄が出してくれた牛乳。
好意で出してくれたものなのだろう。それは分かっている。
兄は牛乳に媚薬を仕込むなどとういう事はしない。というか出来ない人間だ。
大方、静雄の天敵、折原臨也にでも仕込まれたのだろう。

(…でも、本当にどうしようかな)

抜かないと辛いだけだ。でもこの状態のまま家に帰れるかと聞かれれば、無理だ。
この事を静雄に言えば、彼は自分の責任だと言って幽の欲の火照りを鎮めた後新宿にいる臨也の家に殴りこみに行くだろう。
臨也の家に殴り込みに行くのは良いのだが。問題はその前だ。
静雄は情事が苦手である。それにこの速効性の媚薬。きっと効き目は相当強いものなのだろう。
幽も静雄も、明日は仕事だ。支障が出ない程度に済めば良いのだが。

「悪い、幽。今冷蔵庫に食べれる物が…、て、どうした?具合悪いのか?」

「ッ、にぃ、さ…」

このままだと一日中付き合わせてしまう事になりそうだ。
それだけは避けたいと思っていたのだが、どうやらそれは無理のようだ。
心配そうに幽の顔を覗き込む静雄を幽は力任せに床に押し倒す。

「かす、か…?」

「ご、めん…にぃ、さん…なんか、牛乳に、び、やく、かな…入ってた、みたい、で…」

「は!?マジかよ…!悪い幽!多分…つーか、絶対あのノミ蟲野郎の仕業だ…!」

「ぅん…。それは、分かってる、んだけど…。ちょっと…、もぅ、無理かも…」

「へ?」

噛みつくように幽は静雄にキスをする。そのまま腕を動かして服を脱がす。
現れた肌に這うように手を滑らせる。
冷たい兄の身体が気持ち良い。唇を首筋へ動かし、噛みつく。

「ぁッ…!」

小さな痕。嬉しくて何度も何度も噛みついて、痕を残す。
これは自分のだと見せつけるように。
這っていた手を胸のあたりに持っていけば静雄はビクンと身体を震わす。
ピン、と立っている胸飾りを弄れば、また小さく甘い声で静雄は啼いた。

「ぁ、あ…ッ」

「可愛い…」

涙眼になりながら静雄は必死に迫りくる快楽に耐える。
きっとこの後はこんな程度で済む訳がない。弟の幽は間違って媚薬入りの牛乳を飲んでしまっているのだ。
それも半分自分のせいで。ここはやはり兄として自分が責任を取らなくては。

「かすか…、もっと、強くしろ、よ…」

「兄さん…?」

「そんなんじゃ、お前…辛い、だろ。だから…」

恥ずかしそうに顔を真っ赤にしながら呟く静雄に幽は最初こそ驚いたものの、ニッコリと笑って、言った。

「じゃあ…どうなっても知らないからね、兄さん」



♂♀


「ひ、ひぃ、あ!っあ!ゃう…ッんぅ!」

ぐちゅぐちゅ、と音が鳴る。静雄は今四つん這いになり後から突かれていた。
もう何度欲を出したか分からない。中にも外にも出されて、でも欲は引かなくて。
どうしたらいいのだろう。静雄自身も何度も欲を吐き出していて。そろそろ精力が尽きてきた頃だ。

「ぁ、あ!か、すかぁ…、まだ、なのかッ…!」

「ぅん、…まだ、全然ッ…」

「はぅ、あ…くぁッ、あん…、」

ちくしょう臨也の野郎。なんて思ってみても彼に届くことはない。
目の前が霞む。そろそろ声も枯れてきた。
ああ、明日の仕事どうしよう、なんて考えてる余裕もない。

「ん、んぁ!あぅ…、は、ぁあッ」

「は、ぅ…ぁ、」

何度も何度も前立腺を突かれ、気が狂いそうになる。
今後冷蔵庫にある食材も飲み物も捨てよう。危険だ。と静雄は心に思った。

「ン、兄さん…出す、よ…!」

「ふぁッ、ちょ、ま…ッ、また中にィ…ッ」

ドクンと中で果てられた。熱い。腹が熱い。半開きになった静雄の口からは唾液がダラダラと溢れだす。

「ぁ、つぃ…、ンん、は、はぁ…」

「…まだ、駄目、みたい…。兄さん、どう、する…?」

そんな事聞かれても。自分はどうすればよいのだ。
ぼんやりとする視界。揺れる頭。ビクビクと痙攣する身体。
本当はもう嫌だ。このままヤり殺されるのではないかと思うぐらいだ。

「ぉ、まえが、治る、まで…やれば、いい…」

「でも、それじゃあ兄さんが…」

「俺は、いいんだよ…。弟の、為だ…、こんなの、どうって事ねぇ…」

優しい優しい兄。自慢の兄。だから大好き。

「うん…、分かった。ごめんね、付き合わせて…」

「可愛い弟の為だ…ン、兄貴が頑張らなくてどうするよ…」

幽は静雄の腰を掴むとまた腰を打ち付け始めた。
ああ、このままだと明日の仕事はキャンセルかな。



もしもし、マネージャー?…うん、ごめんなさい。今日はちょっと一日中動けそうにないです。

―――――
大変遅くなりました!
愛しい弟の為なら何だってやってやるよ!的な静雄が書きたかったのですが…。
相も変わらずグダグダな話で…すみません!
お待たせして申し訳ありませんでした!
リクエストありがとうございました!!


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