マスターは、時々変な事を言い出す 。猫の耳が付いたカチューシャをおれに付けさせて「ニャーって鳴いてみて」とか。
フリフリのフリルが付いたメイド服っていうのを着させたり。
そして今日は、
「ねえねえ津軽、俺の事マスターじゃなくてご主人様って呼んでみてくれないかな?」
突然なんなのだろうか。マスターは不思議だ。
おれはマスターの想い人にそっくりらしいからその人とおれを重ねているのかもしれない。
そう思ったら胸がズキンと痛んだ。…どうしてだろう?
「はい、マスター」
「違う違う。ご主人様、でしょ?」
「…ごしゅじんさま」
そう言ったら、偉い偉い、と頭を撫でられた。嬉しかった。
でも、どうしてマスターって呼んじゃいけないんだろう?ご主人様って言い難い。
おれの頭を撫でていた手が、スルスルと動いておれの着物を脱がし始めた。おれは驚いてマスターに声を掛けたが、
「さて、ベッドに行こうか、津軽」
嫌な予感が頭をよぎった。
「あ、あの、マスター…!」
「…津軽」
低いマスターの声。ああ、やってしまったと思った。気づいた時にはもう腕をマスターに強く引かれベッドルームに連れて行かれた。
「ご主人様って呼んでねって…俺言ったよね、津軽?一回で覚えられないのかなぁ?」
「あ、あぁ…ご、ごめんな、さい…!」
怒っている。おれがちゃんと言われた事が出来ないから。おれはマスターに創られたも同然の存在なのに。出来損ないでごめんなさい、マスター。
「ご、ご主人、さま…」
「そうそう。やればできるじゃない。…でも」
お仕置きはしなきゃね。
そう言いながら笑うマスターは、まるで悪魔のような顔をしていた。
♂♀
「ふ、ん…!んむッ…」
マスターにご奉仕をしろと命令されて、おれは必死にマスターのモノを舐めていた。苦しいし、おれはこういう行為に慣れていないからマスターを怒らせてしまうのではないかと不安で仕方がない。
だから必死に舌を動かす。口の中に苦いドロリとしたものが広がった。
「んぶ…ッ!?」
「…ああ、ごめんね。出しちゃった」
マスターがイったのだ。良かった。おれの舌でマスターがイってくれたのが嬉しかった。役に立てた。
へにゃり、と笑うとマスターも笑って、
「津軽、乗って」
下着を取ってのマスターの上に跨がった。騎乗位というやつだ。マスターは動かない。
おれが自分で入れなければならないのだ。ゴクリとツバを飲み込む。深く息を吐くと意を決して自分の秘部へ宛てがった。
「ひ、ぅ…ん、うぅぅ…あぐ、」
ああ、いたい。機械のおれに痛いなんて感覚があったなんて今さら気付いたってもう遅い。
自分の体重でどんどん奥へ入っていくマスターのモノ。苦しくて、吐き気に襲われるがおれは機械。
汚物なんか出てきやしない。
だから余計に苦しくて。息を吸って吐いて、吸って吐いてを繰り返す。
目の前が霧に包まれたよう。見えない。何も見えない。
「ひッ、ぁん!…ぁう、う…!ひぃ…ッ」
「ほら、津軽、動いて。俺にご奉仕してごらん?」
「ッ…、はぃ、ご主人、様ぁ…ッ!」
頑張って腰をゆるゆると動かす。動かせばマスターのモノがおれのいい処を擦る。
その度にビクビクとおれの身体は快楽に溺れ、善がる。
どうしよう。おれはマスターを気持ち良くさせなきゃいけないのに、おれの方が気持ち良くなってる。
どうしよう。どうしたらマスターは気持ち良くなってくれるのかなぁ…。
やっぱり、沢山動けばいいの、かな?よし、今度マスターがいない時に調べよう。
今はまだ詳しい事は分からないから、取り敢えずいっぱい動いてみよう。
「はッ…ふ、ぁん…!んン…ッ」
乱れる息を整えながら必死に腰を動かしてマスターのモノを締めつける。マスターはおれの腰を掴んで下から上へ強く突いてくる。それが気持ち良くて、押し寄せる快楽に耐え切れず涙がポロポロ出てくる。
実際にソレは涙ではないただの水なんだけれど、溢れて溢れて止まらない。
どうしたら止められるんだろう。そんなことを考えていたらドクンと中で放たれる欲。ああ、マスターがイったのだ。
それが気持ち良くて、おれも遅れて達した。飛び散った白濁はマスターの腹の辺りを汚してしまった。
「ぁ…ご、しゅじんさま…ごめんな、さ…ぃ…汚れ、て…」
溢れる涙を無視してマスターに謝る。マスターは怒る事なくおれの頭に手を置いて撫でてくれた。
怒って無いのだろうか、と思ったのだが。
「津軽、ご主人様プレイ良かったよ。また気が向いたらやろうか」
…どうやら喜んでもらえたようだ。良かった。
でももうご主人様って言うのは嫌だな。言い難い。
マスターはマスターなんだから、マスター呼びたい。
この機械の胸が痛む理由は分からないけれど、おれはマスター好きだ。嫌いになる事は絶対にない。
「…ご主人様、おれ、ご主人様が大好きです」
この胸に秘める想いはまだ知らぬまま
マスターが笑ってくれれば、おれはそれだけで嬉しいから
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ご主人様プレイ!なんか津軽→臨也みたくなったのは何故。
今回文は全部iPhone打ちという。