大嫌い、大嫌い。こんなにも大嫌いなのに、どうしてこんなに苦しいのか。
俺の下で啼くコイツは、何を思っているのだろう。
考えても考えても、正しい言葉が思い浮かばない。
こんな関係になったのだって、たまたまで。自ら望んでいた訳ではない。
それなのに、いつしか抜け出せなくなっている俺達がいる。
所詮はセフレ。互いの欲求を満たすためだけの、ただヤるだけの関係だ。
それなのに。それなのに…――

「な、に…考えてんの、シズちゃん」

「…別に」

それなのに。なんでこの胸は痛むのだろう。ギシギシと音を立てる。
ああ、痛い。苦しい。この痛みを和らげるにはどうしたらいいんだ。

「ちょっと、…ンッ、…なに…そんなに呆けてるのさ…もしかして、悦くない?」

「いや…そうじゃねぇよ」

「じゃあ何で…ァあ!」

「少し黙ってろ」

臨也の腰を掴んで、自身を奥へと突き立てる。悦くないわけじゃない。
ただ、こんな事いつまでも続けていいのか、という事だ。
互いの欲求を満たす為だけなら、俺の胸はこんなにも痛まない。
理由が分からなくて苛々する。苛々する苛々する。
はけ口が、見つからない。

「ひぃッ、あッ…!シズ、ちゃ…、ぁんんーッ!」

「うるせぇ」

「はぅ…ン、ん…ゃ、んッ!ぃ、あああ…ッ」

煩い煩い煩い…。耳障りだ。心臓がバクバクと唸る。
この苛々はなんだ。臨也の顔を見るとその苛々は増す一方で。
理由が知りたい。この苛々の理由はなんなのか。

「シズ、ちゃ…ッ、シズちゃんッ」

呼ぶな。俺の名を呼ぶんじゃねぇ。もっと分からなくなる。
もっともっと、どうしたらいいのか分からなくなる。このままだと、
壊してしまいそうで。恐ろしくて。

「………??」

「ひぐぅッ、あぅう…あ、ァああーッ…」

壊してしまいそうで?どうして?大嫌いなら壊せばいい。
だけど、壊せない。壊したくない。大事にしたいんだ。
壊してしまったら、俺の何かも一緒に壊れてしまう気がして。
いや、違う。壊してしまったら、きっと俺は後悔するんだろう。
――…ああ、そうか。やっと、分かった。

「は、は、ぁ…臨也…ッ」

「ああぁあッ…シズ、シズちゃん…ッ」

必死に臨也は俺の首に腕を回して啼き悦がる。
所詮はセフレかもしれない。けれど、俺は…。
嗚呼、苛々する。苛々する苛々する。



嗚呼、これが愛というものなのか。

―――――
初、裏で静臨!グダグダだ!
セフレな関係の静臨

『モノクロメルヘン』様よりお題をお借りしました。

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