暗い暗い部屋の中。暗がりの部屋で、荒い息使いが聞こえる。
目立つのは、この暗い部屋の中で一際輝く金髪。もう一つかろうじて見えるのは漆黒の髪。
荒い息使いはこの二人のものからだった。

「あ、ぁひぃッ、…う、ぅう…ぐッ」

「シズちゃん、シズちゃん…。だぁいすき」

漆黒の髪を持つ男、折原臨也はとてつもない喜びに満ち溢れていた。
自分の下には、犬猿の仲の男が涙を流しながら悦がっている。
こんな彼の姿は生きてきた中で見た事はない。それを、自分が見せているのだ。
己はこの男を愛している。人間そのものを愛してはいるが、特にこの男は特別だ。
自分の愛を受け入れ、自分に愛を与えてくれる。
こんなに嬉しい事があるだろうか。

「シズちゃん、シズちゃん…」

「んぐッ、は…そう、何度も呼ぶんじゃ、ねぇよ…」

「仕方ないでしょ。嬉しいんだ。こんなに、こんなに嬉しい事はないんだよシズちゃん。俺の愛をシズちゃんが受け取って、シズちゃんが俺に愛を与えてくれる」

「は?…ひ、ぅッ、て、めぇ…何大きくして…あぁ、ンぁああ…」

「ああ、ごめん。ついまた興奮しちゃって」

臨也を受け入れている男、平和島静雄は思う。臨也の愛は、痛い。
重い、などそういうモノではなく。ただ、痛い。
鋭い刃物のようなものでグサグサと刺されているよう。刃物如きで死ぬ自分ではないが、
臨也が与えてくる愛は、痛いものだった。この男が人間を愛しているが、愛し方を知らないのだ。
それは自分も同じなのだけれど。だからこそ、臨也の愛を受け入れられるのではないかと。
でも、きっとそれは自分が勝手に思っている事。きっとこの臨也と言う男も、
自分は人間を愛し愛されてると、勘違いしているのではないか。だが人間を愛しているのは本当だと思う。
なぜなら、今自分の上でこの上なく、嬉しそうな顔をして笑っているから。

「シズちゃん、シズちゃん…。大好き、大好き、愛してる」

「わか、ってるッ、ぁ、ぅ、ちょ、…まッ、ン、あ、あぁぁーッ!」

「本当に、大好きだから」

少しだけ、寂しそうに呟かれた言の葉が、まるで自分にも言い聞かせていたように聞こえたのは、自分だけだろうか。



分かってる。この想いも、もしかしたら偽りかもしれないけれど。俺もちゃんとお前を愛しているよ。

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また病んでる…
ラブい感じになれるように頑張ろう…

『モノクロメルヘン』様よりお題をお借りしました。

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