「シズちゃんってさあ…弟君と仲いいよね?」

「そ、れが…ッ、なんだ…ッ!」

「…気に喰わないんだよ、はっきり言ってさ」

臨也は目の前にある白い背中をスゥっと撫でる。
するとビクビクと震える身体を見て臨也は薄ら笑いを浮かべた。

「シズちゃんは俺のモノなのに。こーんなに、俺の方がシズちゃんの事好きなのに」

腰を少し動かすと、目の前の白い背中がまた揺れた。それと同時に聞こえるグチュと鳴る水音。
小さく彼の甘い声も聞こえた。これは、自分しか知らない声。
歓喜が、躯中を巡る。ゾクゾクとした何か。これが、喜び?

「…弟君、消しちゃってもいい?」

「てめぇッ幽に何する気、ぁ、…ぅ、あ、ぁあッ!」

「そんな動いちゃ駄目だよシズちゃん。それとも、もっと動いて欲しいのかな?」

「んな訳、ねぇだろうがッ、この…!」

綺麗に染まった金髪が揺れる。まだ余裕のあるこの顔を歪ませてみたい。
悦がらせてみたい。服従させてみたい。ぐるぐるとそんな感情が駆け巡る。
だから、ググッと自分自身もより深く突き立ててやった。
小さな悲鳴の後に聞こえたのは、甘い色を含んだ声。その声を、もっと聞かせて。

「ぅ、あ、あッ!や、やめッ、く、ぅあ、ぁああッ…」

「知ってる?シズちゃん。人間って嘘つきなんだよ?だから、止めて、なんて、嘘だよね。もっと、の間違いだよね」

「ひ、ぅう…ッ!ぁぐ、ッ、くそ、ぉ…!」

耐えきれずぽろぽろと涙を零す静雄に対して臨也は某大な喜びを感じていた。

(そうだよ。これだよ、これ。これを待ってたんだよ、俺は!)

あの、あの平和島静雄が自分に敷かれているんだ。こんな幸福な事は無いだろう。

「シズちゃんさぁ、こうやって決まった曜日に俺の家に来て、こういう事してくれたら、弟君に手は出さないんだけど。それってどう?」

「ん、ぁ…あ…?」

「弟君には手は出さないから、代わりにシズちゃんが犠牲になってって事」

にっこりと笑って言うと、静雄は少し困惑した顔をした。涙と白濁で汚くなってしまった顔すら、今の臨也にとっては愛おしかった。
暫くして、静雄が真っ赤な顔をして答えた。

「…本当に、弟には手は出さないんだな…」

「勿論。俺は嘘つきだけど約束は守る男だよ」

「…限りなく胸糞悪いが…、分かった。その条件、飲んでやる」

臨也は今まで生きてきた中で一番の歓喜に触れた。たった今、自分はこの男を支配した。これが、これが喜び!
だから人間は面白い!今まで楽しい、嬉しい事はあった。だけど、これより楽しくて嬉しい事はないだろう!!
臨也は心から喜ぶ事を知った。喜びと共に、もう一つ分からない感情が浮上したが、それは今はどうでもいい。
今は、この喜びをぶつけなくては。

「シズちゃん、ありがとう。俺今とっても嬉しいよ」

「俺は今お前を殺したいほどの怒りを覚えてるんだがな」

「じゃあ殺される前にシズちゃんには天国を見せてあげる。覚悟してね。シズちゃん」

「は…?ぁ、ひぁあッ!てめ、いきなりッ、ぁ、やぁッ、まッ、ぁあああッ!!」

「あはは、あはははははッ!!!」

面白い玩具を見つけた臨也は高らかに笑い上げた。これからはもう、一生離さないよ。



二度と、死んでも、離してやらないよ。だって俺の全ては君なんだから。

ーーーーー
あれ、臨也さん病んでない?
どうして私が裏書くと皆病むんだ…?

『最果てを棄てに』様よりお題をお借りしました。

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