いつものように新宿から池袋まで来て、フラフラしてたらシズちゃんに見つかって。
そんな毎日が、だんだんと嫌になってきた。嫌なら池袋に来なきゃいいって?
そういう嫌じゃないんだよ。いつまでも俺の想いがシズちゃんに伝わらないのが嫌なのさ。
俺はこんな性格だから好きなんて言える訳ないし。シズちゃんもそういうのは多分言わないタイプ。
というかシズちゃんは恋愛事とか初そうだから分かってないだろうな。
面倒くさい奴を好きになっちゃったもんだよねぇ。ああ、俺の馬鹿。

「ねぇシズちゃん。いつもこんな事して飽きないの?」

「飽きねぇよ。まったく、全然、これっぽっちもなッ!!」

そう言って自販機を投げつけて来るシズちゃん。もう止めようよ。
時々自販機の修理代の領収書とか俺の処に来るんだからさぁ…。
俺は無関係なのにね。酷いよ。酷い、酷い。
シズちゃんに会う度心臓がキリキリと痛む。どうして伝わらないのかな。
やっぱり言葉にしなきゃ伝わらないのかな。人間ってメンドクサイ。
人間は面白いけど、時々メンドクサイ事もある。俺はそんな処も含めて愛しているんだけど。
でも、俺は素直に好きなんて言ってやらないよ。だって真正面から好きだ、愛してるだの言って理解して貰える訳ないじゃないか。
相手はあの平和島静雄だよ?黙ってればいい男なのにね。
生まれてくるどこの過程であんな馬鹿力が付いたのやら。そんなシズちゃんを唯一相手にしている俺って凄いよね。
自分で自分の事褒めてやりたい。だからね、これからの人生でシズちゃんを好きになるのって俺しかいないと思うんだ。
シズちゃんを好きになる輩は沢山いるだろうけど、きっとシズちゃんの力に怯えて逃げるに違いない。
シズちゃんの事を受け入れる奴が現れたって、俺がちゃんと消してあげるよ。だって愛してあげる役目は俺だけだからね。
だから、まずは俺を好きになって貰う第一段階を踏みだす。

「ねぇ、シズちゃん。俺がこれから言う事は嘘だから。気を付けてね」

「あ"あ"ッ!?」



『大嫌い』 そう言った後眼を見開いて驚いた表情をしたって事は、少しだけ期待しても良いってことかな。

――――――
静臨って少なかったからちょっと書いてみた。
短いっていう…。

『Aコース』様よりお題をお借りしました。

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -