*兎虎前提獅子虎
*いろいろと悪い虎




「いいですか、虎徹さん!分かりましたか!?」

「あーあー、分かった、分かったから…」

何やら騒がしい。あまり関わりたくはないが、行かねば仕事が出来ない。
ライアンは渋々騒がしいオフィスへと向かった。
そこには少しムッとしたバーナビーと、聞く耳を持とうとしない虎徹。
痴話喧嘩でもしたのだろうか。

「なーにやってんだよお前ら…」

「お、ライアン!おはよーさん!」

「虎徹さん!僕の話聞いてました!?」

「聞いてた聞いてた。ほら…お前そろそろ撮影なんだろ?早く行かないといけないんじゃねぇの」

バーナビーはグッと言葉を飲み込むと、虎徹からライアンへと視線を移す。
それからライアンに向かって少し怒り気味で言う。

「…ライアン、虎徹さんに手を出したりしたら…」

「あー、ハイハイ。分かってるってジュニアくん」

毎度の事のようにライアンはバーナビーから虎徹に手を出すなと言われていた。
二人が恋仲なのは知っているし、それにわざわざ手を出す程馬鹿ではない。
何より相手があのバーナビーなのだ。手を出したらどうなるか分かったものではない。
全く困ったものだ。自分を巻き込まないで欲しい。
バーナビーは虎徹とライアンにしつこく注意と忠告をすると、渋々オフィスを出て行った。
ライアンは自分のデスクへ向かいドカッと椅子へ座ると深い溜息を吐いた。
が、しかし…。

「…なーんでアンタが俺の上に乗っかってんだ」

「バニー居なくなったし、チャンスだなぁと」

椅子に座るライアンの膝の上に、向かい合わせになるように虎徹が乗っかっていた。

「…いいのかよ」

「いいの、いいの。バニーのヤツ、一々うるさくて…」

幸い、いつもいる経理のおばちゃんはいない。この場にいるのは虎徹とライアンだけ。
よくギラギラした瞳でコチラを見てきているような気はしていたのだが、まさかこういう事だったとは。
ライアンの服の中に手を入れ、彼の鍛え上げられた身体を弄る虎徹に、ライアンはふと思い出したように声を掛ける。

「本当だったんだな。アンタが枕やってたって話」

「…誰かから聞いたのか?」

「いんや。噂で聞いた」

「ま、もう枕はやってねぇけどさ。その名残っつーか…好みのヤツがいたらこう…ヤりたくなっちまうんだよ」

「…ジュニアくんは知ってんのか?つーか、アンタジュニアくんと付き合ってるんじゃなかったのか?」

「バニーはこの事知ってるし、それでも俺の事好きって言ってくれるし…俺もそんな健気なバニーは好きだし…」

けど、コレはコレ。アレはアレ。別の話だ。虎徹はそう言う。
だから先ほどバーナビーは虎徹に色々言っていたのか。
そりゃあ、自分の好きな人が別の男とイチャイチャしていたら嫌だろう。
しかしこれではもし見つかった時バーナビーに半殺しにされるのは自分だ。
ああ、どうしたものか。

「やっぱイイ身体してるなぁー…」

「っなあ、やっぱやめねぇ?」

「バニーから手を出すなって言われたんだろ?大丈夫だって。実際手を出してるの俺の方だし」

確かに。一理ある。最初に自分から手を出した訳ではないから怒られる理由もない。
それなら大丈夫かもしれない。
ライアンも虎徹には興味はあった。しかしいつもバーナビーが彼を守っていて近づく事すら出来なかった。
だが今彼はいない。姫を守る騎士様はいないのだ。

「お、抵抗しないんだな?このまま食っちまうぞ?」

「食われるのはどっちだっつーの。しっかし、触ってもいねーのにこんなになってよォ」

「んんっ、だって…」

熱を含んだ潤んだ瞳。思わず興奮して喉を鳴らした。
こんなオジサンに興奮する日がくるなんて思ってもみなかった。

「んじゃ、楽しもうぜ、虎徹。ジュニアくんより満足させて、俺様の虜にさせてやるよ」

「上等…っ」

獲物を狙うギラギラとした野生の目。ゴクリと二人は息を飲んだ。



♂♀



「いやぁ、アンタ本当サイコーだな。今まで抱いてきたどの女よりも良かったぜ」

「そう言って貰えて嬉しいよ。ライアンも中々だったぜ?ただちぃとばかし荒っぽいけどな」

「そっちの方が興奮したろ?ジュニアくんみたく優しくされるより、激しい方がオッサンは気持ちイイんじゃねぇの?」

「確かになー。でも、バニーとヤる時は愛されてるなぁって感じるから好きなんだよ」

「っかー、嫉妬させてくれるじゃねーの」

「でも、ライアンなら俺のセフレになってもいいんだぜー?」

二人して誰もいないオフィスでクツクツと笑う。
互いにパソコンに向かい作業をしながら、バーナビーに聞かれてはマズイ話を続ける。
先ほどまで激しく性行為をしていたとは思えない。
なんだか危ない事をしているようで、ドキドキする。

それから暫くして、バーナビーが戻ってきた。

「虎徹さん!!」

「おー、バニー。お疲れ、お疲れー」

「大丈夫ですか!?ライアンに何かされませんでしたか!?」

「俺からは、何もしてねぇって。ホーント、ジュニアくんって心配性だな。そんなんじゃ将来ハゲるぞー」

「うるさい」

虎徹とライアンは二人顔を見合わせると、揃って小さく笑った。
バーナビーは知らない二人だけの関係。もしかしたらこのまま続いていくのかもしれない。
秘密の関係、なんて燃えるじゃないか。二匹の肉食の獣はニタリと笑った。



バレてはいけない、危ない二人の秘密

――――――
兎虎前提の獅子虎!
わっるい虎と獅子でした(^o^)
裏は都合によりカットに…。
どっちにしろビッチ虎とガツガツ獅子になる予定ではありましたが…。
読みたいなという方がいればアンケに色々お願いします(*´ ∀`)

兎虎前提獅子虎はもう一つ話を考えているので、
それも近いうちにうpしたいと思います。



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