それは二人だけの秘密。
いつも通りの爆裂音。ガシャンガシャンと何かがぶつかり壊れる音が聞こえる。

「いいぃぃざぁあああやぁああああッ!!!」

「あっははは、こっちだよシーズちゃん!」

「死ねてめぇええええッ!!」

自販機が空を舞う。こんな光景を見た事があるだろうか。
金髪の男と黒髪の男。あの二人が通っていた高校の後輩は、冷めた瞳でそれを見ていた。
いつもいつも同じ事の繰り返しで飽きないのだろうか。
追いかけて、追いかけられて、逃げて、逃げられて。
あの二人は何がそんなに楽しいのだろうか。全く理解が出来ない。
少年はあの暴れている男達とは一応知り合いなので、面倒に巻き込まれないうちにその場を離れようとする。
その後ろでまた、ガッシャーン!と大きな音が聞こえた。
いつか池袋はこのままあの二人に破壊されてしまうのではないだろうか。
そんな不安を抱えたまま少年は歩き出した。

一方、金髪の男静雄と、黒髪の男臨也は路地裏に居た。
一般人にも知れ渡っている二人。そんな二人の戦いには誰だって巻き込まれたくない。
故に二人の周りには誰もいなかった。
このまままた激しい戦闘をするのだろうか。そう思われた時、臨也は静雄に向け大きく両腕を広げた。
まるでこの胸に飛び込んで来いとでも言わんばかりに。
静雄は怒りに満ちた表情を緩めると、臨也の腕の中に飛び込んだ。

「臨也…っ」

「シズちゃん、ごめんね?大丈夫だった?」

「お、おう…大丈夫だ。それよりも、臨也の方こそ怪我してないか?」

「俺は大丈夫だよ」

先程の殺伐とした二人はもうどこにもいなかった。
傍から見れば二人は恋人同士に見えるだろう。
しかし、何を隠そうこの二人は恋人同士。男同士だが、恋人同士なのだ。

「あ、ココ切れちゃってる…俺がナイフで切ったからか…ごめんね?」

「いや、大丈夫だ。皮膚まで切れてる訳じゃねぇし…」

「ううん、もしかしたら切れてるかもしれないから…ちょっと俺の家まで、行こう?」

「あっ……」

いきなり強く腕を引かれ、ドキッとする。
慌てて臨也の歩き出す速さに合わせる静雄。
互いの手が触れている所が熱を持つ。

「このまま誰にも見つからずにずっと手を繋げたらいいね」

「…ばっか、恥ずかしいやつ」



殺し合いなんてしない、ずっと手を繋いだまま誰にも見つからずに二人だけで居られる世界があればいいのにね。

――――――
しまと様、リクエストありがとうございました!!
遅くなってしまい申し訳ありません(>_<)
いつも訪問してくださっているようで…!ありがとうございます!

臨静は人前だと殺愛をしてるけど二人きりになるとイチャラブしてるといいですよね…!
見つからないように外でイチャイチャしてたりとか…もう(*´ ∀`)

リクエストありがとうございました!!



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