*虎兎虎
*モブ虎有り
*エロはモブ虎のみ


ok?↓




これは全部嘘なんだよ、と誰かが否定してくれればそれでいい。
これは現実ではなくて幻想で。真実ではなくて偽りで。
画面の向こうで悲鳴に似た喘ぎ声が聞こえるのを僕は耳を塞いで耐えていた。

可笑しな物が送られるようになってきたのは一週間前。
封筒の中にディスクが入っていた。ファンからの贈り物なのだろうか?
いや、それならばアポロンメディア経由で届くはずなのだが。
半信半疑ながらも、僕はそのディスクを観た。観てしまったのだ。

『あっ、ぁああ゛ッ!やめっ、っひ、ぐ、あ゛ああぁ!!』

『ばっか、ちゃんと抑えてろって!ったく、薬もう一本打っとけ』

『これ以上打ったらヤバくねぇ?』

『大丈夫だって!なんたって、ワイルドタイガーは、身体は丈夫なんだもんなぁ?』

『っひ…う、うぁ、あっあぁ…』

そこには、僕の相棒の彼が、頑丈な首輪をされ、両腕はロープで縛られて。
アイパッチは外され、衣服は何もつけていない状態で、見知らぬ男達に犯されていた。
始めはあの人に似た人を捕まえてやったんだろうと思ったのだが。
あの特徴的な髭。見間違うはずがない。声も身体つきも、足の裏にホクロがある事も、信じたくはなかったけれど。
画面の向こうに居る彼は、間違いなく、僕の、大切な彼だった。

「こてつ、さ…!」

見知らぬ男達に犯されている彼に、欲情した。酷いと思う。
だけど、身体を這う熱には逆らえない。彼を想う気持ちは胸の中にずっと仕舞い込むつもりだったのに。
彼を犯している男達に自分の姿を重ね、まるで自分が彼を犯しているかのように想像をした。
泣いて嫌がる彼の顔。ああ、素敵だな…。罪悪感にかられながらも、僕は自身の欲を吐き出した。

だけど、どうして彼は僕に何も言ってくれない?
きっとこの映像は最近撮られたものだ。誰かに脅されているのかもしれない。
それなら僕は喜んで力になるし、助けてあげるのに。
彼は一人で抱え込むことがあるから僕に打ち明けてくれないのかもしれない。
僕は軽蔑なんかしない。むしろ、そんな辛い事になっている貴方を支えてあげたいのに。

翌日、また僕の家に新しく封筒が届いた。中身はまた同じディスク。
内容は見なくても分かる。きっとあの映像だ。
観てはいけないのに、好奇心には勝てない。

『は、ぅ、んっ、んぶっ!む…ぁ゛、ぐ…』

『もっとちゃんと舌使えよタイガー。ヘッタくそだなぁ』

『っひ、…く、そ…!』

『んー、その顔、そそるねぇ…』

ああ、どうしてこんな事になっているんだ。いつ、いつ撮られたものなんだろうこれは。
毎日毎日届くようになった封筒。映像の内容は日に日に変わっていく。
玩具を使ったり、暴力を振るったり。その度に虎徹さんはだんだんと淫らになっていく。
慣れ、というやつなのかもしれないけれど。こんな彼は、認めたくなかった。
僕の憧れの、カッコいいワイルドタイガーなんかじゃない。



「虎徹さん!!」

「んー?なんだバニー?どうかしたのか?」

朝、アポロンメディアにいつものように出勤してくる虎徹さんを捕まえる。
この目の前にいる彼が、映像と同じ人物だなんて思えない。

「あの…虎徹さん、僕に隠し事してません?」

「はぁ?突然なんだよ…」

「…今夜、時間ありますか?貴方に観てもらいたいものがあるんです」

「俺に?バニーからなんて珍しいな…。んー…分かった。あ、酒持っていっていいか?」

虎徹さんは疑いもしない。あの映像の彼がもし本物の虎徹さんだったら、僕はどうしたらいいんだろう。
ショックだし、なにより、虎徹さんをあんなに淫らしてしまった男達を許せない。

夜。今日は珍しく出動もなく、パソコンでの書類の処理を終わらせて虎徹さんと共に僕の家へ向かう。
ああ、怖い。自分の家に帰るはずなのに、足が震える。
虎徹さんはいつもと変わらず、笑っていた。虎徹さんを見ると、自然と映像の中の彼と重ねてしまって身体が疼く。
ダメなのに。虎徹さんはあんな淫らじゃない。こんな事を考えてしまうなんて虎徹さんに失礼だ。

僕の自宅に着くと、持ってきた酒をさっそく飲もうとする虎徹さんを抑えて、あの映像を見せる。
映像は、昨日届いた最新のやつだ。自ら腰を振って男の上で喘ぐ彼。
ねぇ、嘘だと言って。貴方はこんな人じゃない。僕の目の前にいる本物の虎徹さんは、こんな事、しないんだ。

「…虎徹さん、これ…」

虎徹さんは視線を逸らさず、ずっとその映像を見つめる。
自分が犯されている映像なんかを見て何がいいのか。
お願いだから、何か言って。この映像は作り物で、貴方なんかじゃないんだって否定して下さい。
すると突然、虎徹さんは笑いだした。

「あははは、はははっ!なんだ…そうだったのか。そういう事だったのかぁ…」

「あの、虎徹さん?すみません、これ…僕には虎徹さんのように見えるんですけど、嘘…ですよね?」

「嘘じゃねーよ。これ、俺だよ。間違いなく俺だ。なるほどなぁ…だからあんなビデオなんか撮ってたのか…そんでバニーに焼いて送ってたって事か…」

虎徹さんは、なにが愉快なのか分からないが、笑っている。
嘘じゃない。彼は言った。映像の彼と、目の前にいる虎徹さんは同じ人、という事だ。
理解をしたくなかった。映像の彼は僕の目の前にいる彼と同じ。
ガラガラと何かが崩れていく音がする。

「なぁ、ショックだった?俺がこんな淫乱で。俺だってさぁ…最初は嫌だったけど、今は気持ちいいし、金も貰えて借金返せるし一石二鳥かなって思っててさ」

ガクン、と膝から崩れ落ちる。嘘だ。こんな事、ありえない。
虎徹さんはこんな人じゃないはずなのに。虎徹さんは僕にじりじりと近づきながら笑う。

「この映像を見て、バニーも抜いた?俺、バニーになら抱かれてもいいよ?」

「…や、めてください……」

「軽蔑した?そりゃそうだよなぁ…でもこれ、バニーの為にやったんだって言ったら…信じる?」

「え…」

「ふふ、ウーソ!今のその顔可愛いなぁ…食っちまいてぇ…」

ペロリと舌を出して獲物を吟味しているかのような虎徹さん。妖艶で淫らで、興奮した。

「俺、一度でいいからバニーに抱かれてみたかったんだよなぁ…」

「ひ、…うぁ…」

「怯えるなって、本当バニーは可愛いなぁ…」

クスクスと悪魔のように彼は笑う。肩を押され、床に押し倒される。
彼の目は、まるで獲物を見つけた野生の虎のよう。
ああ、逃げられない。

「いただきます、俺の可愛い、兎ちゃん」

PREY

僕はなす術もなく彼の餌食となってしまったのだ。

――――――
悪いおじが書きたかったのです…。
モブ虎のエロしかなかったですが、虎兎虎です!
このまま虎にリードされたまま兎は食われ童貞を奪われてしまうのです!
…という続きになる予定だったんですが力尽きましたorz





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