愛に焦れる。
愛されていたと浮かれていた自分が憎い。
愛される訳がないと、理解していたはずなのに、どこか期待していた自分がいる。
あり得ない。あり得ない。
自分は何処か普通の人間とは違う、化物だ。だから、そんな自分を愛してくれる人物など、いる訳がないのだ。

「俺は心の底からシズちゃんを愛しているよ」

いつだったか、そうほざいてきた奴がいた。最大の宿敵、折原臨也。
人間が好きだ、と散々言っていたように記憶しているが、それは果たして本当なのだろうか。
彼は、人間が好きで、自分は化物だろう。愛される訳がない。
そう、あり得ないのだ。愛されるなど。大体、自分は愛というモノが分からない。
理解できないのだ。理解、したくないのかもしれない。

愛というモノに焦れる。今まで自分は愛されていたのだと、浮かれていた。
どうしたらいい。どうしたら愛される?

「俺の処へ墜ちておいで。俺はシズちゃんを愛しているんだ」

止めてくれ。分からなくなる。お前は嫌いなはずなのに。
なんでこんなに心が揺らぐ?俺は、愛というモノが分からない。
だから、こんなにも引き寄せられるのか。
少し前、変な刀を持った集団に襲われた。「愛してる」と呟きながら、刀が蠢く。
人間に愛されなくても、刀は自分を愛してると言った。だが、
その刀すら、俺の暴力の前では歯が立たなかった。刀も俺を怖がっていたように思う。
関係ない。そう、関係ないんだ。愛がなんだ。
俺には関係ない。必要ない。

「シズちゃん。シズちゃんは本当は愛して欲しいんでしょ?俺が愛してあげるから、堕ちておいでよ、俺の元へ」

臨也の声が、俺の心を墜とす。違う、違う。違うんだ。
俺は愛が憎い。愛に焦れているんだ。愛は、俺を愛してはくれないから…。

「シズちゃん」

ああ、駄目だ。臨也の声が、俺を誘う。
頼む。頼むから、お前なら、俺を愛してくれるのか…?

「愛してあげるよ。俺はシズちゃんが大好きだからね。ずっとずっと、愛してあげる…」

自分を愛してくれない愛に焦れ、愛されていたと浮かれていた自分。
そして、俺は愛へと墜ちていく…――



愛して、愛して。俺の全てを受け入れて。愛して、愛して。

……………………
静ちゃんが病んでるよ、どうした(お前がな
なんかいつも臨也か静ちゃん、どっちか病んでるな…。
相思相愛な話しが書きたい。

『モノクロメルヘン』様よりお題をお借りしました。

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