「デートしようよ、シズちゃん」

そう言われたのが一週間前。どうせ冗談なのだろうと思っていたが、どうやら彼は本気らしい。
いつもの黒いコートは着ておらず、カジュアルな服装で現れた。
一方静雄は家にある適当な服を選んで着て来た訳だが、なんだかこれでは自分はデートに乗り気ではないように思われてしまうのではないだろうか。

「ねぇ、どこ行く?いっつも池袋だからたまには新宿とか行ってみる?」

「お、れは…どこでもいい」

「どこでもいいが一番困るんだけど…どうしようかな、あっ、ならこの前出来たカフェにでも行く?美味しいデザートがあるんだって」

「!!、じゃあ、そこでいい」

そう言って二人で訪れたのは、新宿に新しく出来たカフェ。
ハデではないシンプルな外装に静雄も満足したのか、ちょこんと大人しく席に着いた。
静雄はあまり人でガヤガヤした処が好きではない。
こうやって落ち着ける場所が一番好きなのだ。
運ばれてきたデザートに静雄は目を輝かせ、美味しそうに頬張る。
その様子を臨也はニコニコと笑って眺めていた。

「……お前は食わないのか?」

「俺はコーヒーだけあればいいし。あとは…シズちゃんの笑顔?」

「ばッ!?バッカ……ほら、一口だけやる」

「あーん」

「…自分で食えよ」

「シズちゃんにあーんしてもらいたいの。ほら、あー…」

静雄は照れながらもスプーンを臨也の口へと運ぶ。
ああ、恥ずかしい。静雄も熱くなった頬を冷やす為にアイスを口の中へ運んだ。

「今日はシズちゃんが食べたいもの、全部頼んでいいよ」

「えっ…でも…」

「シズちゃん、甘い物好きでしょう?俺はシズちゃんが美味しそうに食べてる姿を見れるだけで嬉しいんだ」

「〜〜〜ッ!!」

ニコニコと臨也は本当に嬉しそうに笑う。
静雄も困ったようにまたアイスを口の中へ運んだ。
約三時間ほどカフェでデザートを堪能した後はそのまま新宿の街へブラブラと歩いて周った。

「何か買いたい物とかある?」

「いや…特に…」

「そう?じゃあ俺買いたい物あるんだけど…いい?」

「ん…大丈夫だ」

臨也の買い物に付き合って新宿の街を歩き回る。
気付くと日が暮れていた。今日はこのまま自宅に帰ろうか、と静雄は考えていたが。
半ば無理矢理臨也の自宅へと招かれた。

「ご飯ぐらい食べていきなよ」

「…どうせまた鍋だろ」

「うっうるさいな!しょうがないでしょ!」

「…俺、臨也の作る鍋好きだぞ。だから…楽しみ」

「!!、も…シズちゃんったら…ホント可愛いなぁ…」

二人で臨也の作った鍋をお喋りしながら食べた。その後はまた他愛ない話をしてテレビを見て。
そろそろ帰ろうか、と静雄が立ち上がったその時。
力強くグイッと腕を引っ張られその場に倒れ込んだ。
なんなんだ、と腕を引っ張った張本人を睨み付けると、彼は寂しそうに、だけどニヤリと笑って。

「このまま帰すと思ってた?残念。ねぇシズちゃん、俺と良い事しよう?」

その言葉にちょっとでも期待している自分がいる事に静雄はイラついた。
こうやっていつも流される。でも、それでもいいか。
静雄は黙って臨也の言葉に従った。



♂♀



「んっ、あ…ちょ、いざ、ゃ…!痛ぇよ…ッ!」

「痛くしてるの。でも、身体は素直みたいだね」

「ぁ…」

ぐちゅん、と音を立てて臨也は静雄の中に指を入れた。
細長い指が中を弄る。その音に耳を塞ぎたかったが、生憎その腕は頭の上で一纏めにされ縄で縛られていた。
本気を出せばそんな縄など静雄は引き千切れるのだが、そんな事はしない。
臨也も静雄を傷付けようとしてやっている訳ではない。
それを理解している静雄は黙って縛られているのだ。

「ん、ぁ…あっあ…ふ、んっんんー…ッ」

「ココ?気持ちいい?」

「き、もち…いい…」

「良かった。ね、もう入れていい?我慢出来そうにないんだ」

「じゃ、早く入れろよ…痛くても、大丈夫だから…」

「シズちゃんは痛いの好きだよねぇ…Mなの?」

「なっ…!?俺はMじゃな…っあ!あ、ふッ…が、は…ぁあッ」

静雄の腰を掴んで臨也は一気に自分のペニスを静雄の中へと押し込めた。
ピリッとした痛みが走ったからきっと少し切れてしまったのだろう。
だが静雄はそんな事は気にも止めない。
迫りくる快楽に必死に流されないようにしがみ付く。
興奮した臨也の表情を見るだけでこちらも興奮してくる。
感じてくれているんだと思うと嬉しくなる。

「ふ、ぎ…ぁっ、あ…!いッ…ぁ、ああん」

「痛くしてるのにこんなに嬉しそうに喘いじゃって…やっぱりシズちゃんはMだよ」

「ちがっ…ぉ、っれは…んッ――!!」

「あは、かーわい!イっちゃったの?Mでおまけに淫乱だなんて…可愛い可愛い俺のシズちゃんっ」

愛してるよ、なんて耳元で囁かれたらまた身体が熱を持ってしまう。
ぎゅう、と中に入っている臨也のペニスを思わず締め付けてしまった。
それに一瞬苦しそうに顔を歪めた臨也だったが、すぐに表情を戻すとニコリと笑い。

「ひゃあっ、あッ、あッ、んああっ!!いっ、いざ…!激しッ…!!」

「俺まだイってないからさ。今日は俺が満足するまで付き合ってね、シズちゃん…?」

「ひっ、が…ッ、あん、ッァああ!!ひぃいッ…ッ――!!」

「聞こえてないかな?まぁ…いいか」

その日は日が昇るまでずっと交わり続けた。臨也が目を覚ましても静雄はグッタリとしたまま眠っていた。
やはり無理をさせてしまっただろうかと思ったが、これも愛の示し方。
間違ってはいないと自身に言い聞かせる。

「可愛い可愛い、俺の、俺だけのシズちゃん」



これからもずっと一緒だよ

――――――
いづみ様、リクエストありがとうございました!!

完成が遅くなってしまい申し訳ありません><
少しでも喜んでいただけたら幸いです!

昼間は良い顔してそうだけど夜は悪い顔してそうな臨也…。
いや、彼はいつも悪い顔をしていたな…。
静雄とラブラブしてる時が一番良い顔してそうですね…。
それが携帯をふんずけて高笑いしてる時の顔が良い顔かな…。

リクエストありがとうございました!!



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