ガコン、ボコッ、ガッチャーン!
池袋の街中で自動販売機やらガードレールやら標識が飛びまわる。
それはもう日常の一部になってしまっている光景。
街の人々は怯えたり、愉しんだり。はたまた店を壊されて号泣している店の店長だったり。
そんなのには目もくれず、街灯を引っこ抜いて投げつけているバーテン服を着た男と、それをひょいひょい避けている黒いコートを着ている男がいた。
「いぃぃざぁぁやぁぁくぅぅん…何度言えば覚えるんだァ…?この街に来るなって、言っただろうがぁあああッ!!」
男は持っていた街灯を、イザヤと呼ばれた男へ投げつける。が、ひょい、と避けるとイザヤは男へと一気に距離を詰めた。
「危ないなぁ。死んだらどうすんのさ、シズちゃん」
「殺すつもりでやってんだ、よッ!!」
シズちゃん、改め、平和島静雄は、イザヤ改め、折原臨也目掛けて今度は標識を投げつけた。
だがそれもひょいと避けられると、静雄の怒りは頂点に達した。
「臨也ぁあああああッ!!」
「あー、すぐ怒るんだから…。そんなんだから、懐がガラ空きになるんだよ」
臨也が目の前から消えたと思ったら、シュンッと何かが切れる音がした。
ふと見ると、弟の幽から貰ったバーテンの服が切り裂かれていた。
その下にはナイフをちらつけせニヤリと微笑み臨也。ブチィ、と頭の中で何かが切れた音がした。
「弟から貰った服を…ッ、臨也ぁああ!てめぇっぜってぇ許さねぇッ!!」
「服ぐらいで煩いなぁ…。シズちゃんもさっさと死んじゃえばいいのに」
「ナイフで刺されたぐらいじゃ俺は死なねよバーカッ!!」
静雄はふっと笑うと、臨也をあざ笑うかのように続けて言った。
「死ぬときはお前のこと爆笑しながら死んでやる」
少し驚いた顔をした臨也を、静雄は満足げに笑った。
……………………
どうしても、+、な関係になってしまう。
×になりたい(どういう事
静臨も書きたいです。
『最果てを棄てに』様よりお題をお借りしました。