珍しく自分から恋人の家に遊びに行った。いつでも来ていいというから、驚かせようと連絡も無しに行ったのだが。
「あー、臨也くん?臨也くんは今津軽とデリちゃん連れて出掛けてるよー?」
なんて事だ。タイミングが悪すぎた。
メールでもしておけば良かっただろうか。
でもそれだと驚かせる意味が無い気がする。
「すみません静雄さん。すぐ戻ると思うので…あっ、お茶でもお持ちしますので寛いでてください」
「えっ、あ…悪いな」
「ううん、静雄くんは悪くないよ!臨也くんが僕の津軽連れてどっか行っちゃうのが悪いんだから!あっ日々くん、クッキーあったっけ?ケーキでもいいけど」
「あっ、ケーキならありますよ。でもこれって確か明日のお客様用って臨也が…」
「そんなのどうでもいいよー!静雄くんの為に出したって言えば臨也くんも分かってくれるよ、多分」
「…怒られるのは私なんですけどね」
静雄は少々居たたまれない気持ちになったが、目の前に綺麗に切り分けられたケーキを前にしてそんな気持ちは無くなった。
家に居ないアイツが悪い。俺がせっかく来てやったのに。
モグモグと美味しそうにケーキを食べる静雄にサイケも日々也もニコリと笑った。
小さくマントの端が引っ張られている事に気付いた日々也はふとその方向をみる。
引っ張っていたのはサイケで、静雄にバレないようにやっているようだった。
日々也は自然とサイケの隣に座る。するとサイケが。
(…ねぇ日々くん)
(…なんですか?あんまり聞きたくないんですけど…)
(僕ね、ケーキの美味しい食べ方、思いついちゃったっ)
(ケーキの美味しい食べ方…?)
は、と日々也は気付いた。笑顔なのに腹の中では真っ黒い事を考え付いているサイケに。
静止をしようとした日々也の腕をサイケが掴む。掴んでいる力が尋常ではない。
日々也はその時絶対に今後サイケには逆らわないようにしようと誓った。
「ねぇ静雄くん。このまま普通にケーキを食べてもいいけど、もっと美味しい食べ方しない?」
「…美味しい食べ方なんてあるのか?」
「うん!僕が思いついたんだけど…どう?」
静雄は少し考えた後、恥ずかしそうに頷いた。
と、同時に落胆する日々也。ああ、これから彼は遊ばれてしまうんだな、と。
とりあえずその場を離れようとした日々也だったがそれを笑顔のサイケに拒まれる。
「どーこ行くのかな、日々くん」
「えっ、いや…私は…」
「日々くんも、一緒にケーキ食べよう?」
メリメリと日々也の腕が悲鳴をあげる。お前も一緒だ、というようにサイケは笑う。
(…僕、一度でいいから日々くんの魔王鬼畜モードが見てみたくてさ)
(はっ…!?ま…ッ!?なんですかそれ…!)
(デリちゃんが言ってた。日々くんはなんかのスイッチが入ると性格が変わるんだって。デリちゃんはそれの事魔王鬼畜モードって言ってたから)
ああもう!日々也は頭を抱える。自分だってどうやってあの性格になるか知りたいのに。
スイッチが切り替わるのだってどのタイミングでなるのかさえ分かっていない。
そんな中あの豹変した自分の性格に変な名前まで付けられてしまった。
「はぁ…デリックが帰って来たら叱らないと…」
「…デリックがどうかしたのか?」
「えっ!?いえ、なんでも…」
「ちょっとー!ケーキ悪くなるから早く食べようよ!」
サイケは静雄に覆いかぶさるようにズシリと乗っかった。
静雄はキョトンとサイケを見上げる。
プチプチとバーテン服を脱がしていくサイケに静雄は不安になった。何をしているんだ彼は。
思わず身体を起こそうとしたがビリビリと身体中に強い電流が流れ動けなくなる。
「サ、サイ…ケ…?なに、を…っ」
「ん?ケーキを食べる準備だよ?」
「っ、なら…こんな、こと…!」
「僕が考えたケーキの美味しい食べ方は、ケーキと静雄くんを一緒に食べる事!あと、ビリビリするやつは静雄くんが暴れたら困るからちょっとだけ我慢してね?」
「ふざけっ…、おぃ、日々也…!」
「あー…すみません静雄さん。私も一応サイケと無理矢理共犯させられまして…」
悲しく静雄の瞳が揺れる。サイケはそんな事お構いなしに静雄の身体を弄くり回す。
ギュッと唇を噛み締め声を出さないようにする静雄に、サイケはニタリと笑う。
サイケはケーキをきめ細かい静雄の胸板にべちょりと落とした。
その冷たさに静雄は一瞬震えたが、次に感じた感覚に驚く。
「あーん、ん…ぅんー、美味しい!ほら、こことか…」
「ひぅッ!?ぅあ、サ、サイケ…やめっ」
「ここも食べちゃおーっと!んむー」
「っひ!ぅ、う…」
実に楽しそうだ。日々也はただその光景をじっと眺めていた。
サイケはニヤニヤと笑いながら静雄の身体で遊んでいた。
こうやって他人を虐める事がサイケにとっては最大の楽しみなのだ。
だが自分の好きな津軽に対しては虐めたりとか意地悪をしたりはしない。
好きな子の前では良い子を演じていたい、という所だろうか。
「日々くん。日々くんもそこに突っ立ってないで一緒にケーキ食べよう?」
「あ…」
「ほらほら見て日々くん。静雄くんったら目がこんなトロントロンになっちゃって。臨也くんったらどれだけ静雄くんの事開発したんだろう?流石僕達の生みの親!侮れないね」
侮れないのはお前の方だ。日々也はそう言いたかったが口には出さなかった。
小さく静雄の耳元で謝罪の言葉を述べると静雄の身体の上に乗っているケーキに噛み付いた。
ビクンと静雄の身体が震えると同時に日々也は自分の中で何かが変わっていくのを感じた。
一方サイケは静雄の乳首を見つけるとニンマリと笑う。
「静雄くんのイチゴ、いただきまーす!」
「ひゃあッ、あ、っあ、ァあ!サ、サイケぇ…やめ、いた、ぃ…」
「…じゃあ、私はもう片方のイチゴでも頂きましょうか」
「お、日々くん乗ってきたね?流石魔王さま!」
「天使みたいな笑顔で悪魔のような事をする貴方には負けますけどね」
「えぅ、う…んぁ、あ」
静雄にとってはどちらも同じようなものだった。
二人とも悪魔にも見えるし魔王にも見える。
元が臨也だからこいつらも同じになってしまったのだろうか。
ああ、なんて最悪なんだろう。これほど恋人を呪った事は無い。
ぼんやりとする脳内で考えているとスラックスと下着を脱がされて下半身を露わにさせられる。
「やっぱり静雄くんも感じてるね。あんな可愛い喘ぎ方したんだもん、感じない訳ないか」
「ビクビク震えてますね。ああ、こんなに汁が漏れて…」
「や、やだ、やだぁ…ッ、言うな、ぁ…!」
「そうだなー、あっ、生クリームでも塗って舐めてあげようか!美味しそう!」
「静雄さんにもちゃんとケーキあげますからね」
「ぅえ、あ…いや、嫌だ…ッ、も、やめ…!」
ベチャベチャと性器に生クリームを塗りたくられる。
イチゴの欠片やスポンジも時々ガサガサと当たるものだから余計感じてしまう。
快楽に必死に耐えていると目の前に一口サイズに切られたケーキが出された。
「はい、静雄さん。ケーキです」
「んぶッ、ぐ、んむッ、…ッ…」
「日々くん鬼畜ー!じゃあ僕はコレ、頂きまーす!」
「あっ、サイケっズルイですよ!」
「早い者勝ちだもんねー」
ぬろぬろとサイケの舌が静雄の性器を刺激する。
口の中に入っているケーキが飲み込めない。苦しい。
サイケと日々也が二人して静雄の性器を舐め始めるものだがら快楽が後から後から溢れ出てくる。
「あっまぁーい!臨也くんったらいつもこんな美味しいものばっかり独占してズルイよね」
「そうですね。でも、デリックの方がもっと甘いです」
「む、それを言うなら津軽だって甘いもん!砂糖菓子みたいに甘いもん!!」
「……お前ら、ちょっとは、んぁあッ!」
「でもまずは」
「こちらから食べてしまいませんとね」
じゅるじゅると性器を吸われる。舌で尿道を刺激され奥からゾクゾクを快感が押し寄せる。
身体が痙攣する。ああ、ダメ、ダメだ。
「ゃあ、ア、い、イクっからぁ、も、ゃ、ゃあ…」
「ん、いーよ、たくさん甘いのちょうだい、静雄くん」
「全部飲んであけますから」
「ひぅ、あ、まっヤダ、いやだ、ぁ、ああ、ぅ、んぁーーッ!!」
びゅるびゅると静雄は白濁を出し切るとそのままパタリと気を失った。
真っ青な顔をして気絶した静雄を、サイケと日々也は顔を見合わせ。
「静雄くん、可愛かったね!あと、美味しかった!」
「そうじゃないでしょう!臨也がこの状況で帰ってきたらマズイですよ…!」
「僕は臨也くん怖くないから平気だよ」
「私が怒られるんですって…!ああ、どうしましょう、デリックに嫌われたら生きていけない…」
「日々くんだってノリノリだったのに…それにデリちゃんは元々日々くんの事嫌いでしょ?」
「もっと嫌われたら嫌なんです!サイケだって津軽さんに嫌われたら嫌でしょう…?」
「それは、そうだけどさぁ…」
日々也は深く落ち込み、サイケはうーんと一人唸りながら考えていた。
ああ、この状況、一体どうしよう。
スイーツボーイ
(ねぇ、サイケ。シズちゃんからもうお前の家には行かないってメールが来たんだけど…それってどういう事?俺がいない間シズちゃんに何かしたの?)
(えっとねー、ケーキを一緒に食べた!)
(それだけ?)
(うん!!)
―――――
サイケが予想外に黒い奴になってしまったなぜだ…。
そしてエロが少ない。ぉおお、すみません><
イチャコラというか…静雄が遊ばれてるだけ…だと…?
まな様、拙い文章で申し訳ありません!
リクエストありがとうございました。