「あ、デリちゃんだー」

見つかった。デリックはそう思った。ビクリと身体を震わせて声のする方を向く。
そこには物凄い笑顔のサイケが居た。
サイケは実質デリックの兄のような存在だ。デリックはサイケのデータを元にした思念体である。

「よ、よぉサイケ」

「もー!“お兄ちゃん”でしょう?何回言えば分かるのかなぁ」

デリックはサイケが苦手であった。サイケの元である臨也も苦手で、臨也と同じ顔でも性格が全く違う日々也も苦手である。
もう一つオマケにパソコンの中にだけ住んでいる六臂も苦手であった。
なんだか身体がサイケを含む臨也を元に生まれた彼らを拒絶してしまうのだ。

「で?デリちゃんは何しに来たの?臨也くんも津軽もいないよー?」

「や、あの、臨也のヤツに呼ばれててよ…」

「ふーん?でも今臨也くんは静雄くんのお家に行ってるんだよねー…。津軽も連れてっちゃうし」

サイケはここには居ない臨也にぷんすかと怒る。しかしデリックは実際それどころではなかった。
ここから一刻も早く逃げ出さなければ。このまま此処にいればきっと自分は彼の玩具にされる。

「な、なーんだ。臨也のやついねーのか。じゃ、じゃあオレは一端帰っ…――」

「デーリーちゃん!」

腕を掴まれた。デリックは自分より背が低いサイケを見下ろす事になるのだが、彼は今とんでもなくいい笑顔であった。
怖い。怖い怖い。

「僕とちょっとだけあーそびーましょー?」

嫌だ、と言いたかった。でもきっとそれを彼は許さない。
ピンクのコードを身体に絡ませ、デリックに逃げ場を無くさせる。
抜けだそうにも、身体に巻き付いたコードはギチギチと音を立てるだけでとても切れそうではない。
これはもう彼の玩具になるしかない。拒否権は、すでに破棄されている。



♂♀



「ひぅ、ひ、っひァ…!」

「デリちゃんてさー、他の男とヤりまくってるわりにはガバガバじゃないね?やっぱり人間じゃないからなー?」

グチグチと水音が部屋に鳴り響く。ケタケタとサイケは笑う。
デリックは出来るだけ声を出さないよう目の前のクッションに顔を押しつけていた。
サイケとヤるのは初めてではない。前にもこのように玩具のように遊ばれた事がある。
それがデリックのサイケへのトラウマ。サイケは思考回路が子供故に手加減を知らず、デリックが気を失うまで犯し続ける。

「ぁ、や、やぁッ…く、ぁああんッ」

「ホント、淫乱だよねーデリちゃんは。津軽は清楚で可愛いのに。そういえば静雄くんも一回落ちちゃえば簡単だよねー」

なんて、笑いながらサイケは言う。臨也がこの世で一番恐ろしいと思っていたが、サイケの方が怖い。
いつもは天使みたいにニコニコ笑っているくせに腹の内は真っ黒じゃないか。
油断していた。ああ、オレの馬鹿野郎。

「ひ、んッ!んんぅー…ッ!!」

「アハ、デリちゃんもうイっちゃったの?」

中を掻きまわされる。苦しいのに、でも気持ち良くて。
こんな身体が憎い。ゴリゴリとサイケのモノがデリックの中を擦る。

「ぃ、あ、ああッ、」

「デリちゃんは僕の弟なんだから、僕の事“お兄ちゃん”って呼んでごらん?」

「ぅ、あ…?…ぉ、に、ちゃ…?」

「うん、そうそう!やれば出来るじゃない!これからは僕の事、お兄ちゃんって呼ぶんだよ?分かったぁ?」

必死にコクコクと頭を縦に振った。ここで嫌だなんて言ったらサイケのもっと黒い部分を垣間見る事になるだろう。
まだ消えたくない。まだ消されたくない。

「ん、んッ、ひ、あぁ…、にぃ、ちゃ…」

「よーし、じゃあ今日は皆が帰ってくるまで、」



ああ、お願いだ。皆早く帰ってきてくれッ

―――――
サイケ×デリックの兄弟な雰囲気のエロが見たいとリクにあったので!
…兄弟っぽくないっていうorz
す、すみません…><

『モノクロメルヘン』様よりお題をお借りしました。