臨也に、「面白いDVD借りてきたから、一緒に見ない?」とメールが来たのはつい三時間程前だ。
俺達は恋人同士なんだから普通にメールのやり取りをしてても可笑しくはない。
だから、取りあえず臨也のマンションへ行った。そこまでは普通に良かったんだ。
臨也が言うDVDは恋愛ものだったり、アダルトものだったりしたのだが、その中でも
俺の弟、幽が出演している映画に夢中になった。
同じ体制で思わず食い入ってしまった為、その映画が終わる頃には。

「いっ、…!」

脚が痺れてしまった。臨也は今席を外している。
こんな、脚が痺れただなんて知れたら絶対笑われる…!
無理に動かそうとすればビリビリと脚が痺れて動けない。
早くしなければ、と思うのにまだ脚は痺れたまま。やばいやばい、そう思っていた矢先。

「あれ、シズちゃんどうしたの?映画終わったでしょ?」

臨也が帰って来てしまった。顔が熱くなる。
笑われる。絶対笑われる…!思わず顔を伏せて黙っていると臨也が妙に脚を弾ませて近づいて来た。

「シーズ、ちゃんッ」

「ひゃッ…!」

痺れている脚を突かれた。そうなるとビリビリとした、快楽に近いモノが身体に流れた。
ビックリした。自分でもこんな、甘い声が出るなんて思っていなかったから。
だから余計恥ずかしくなって顔を上げ辛くなった。臨也がどんな顔で俺を見ているかなんて、分かり切ってる。

「ふふ、シズちゃん脚痺れちゃったんでしょ?そんな同じ体制で見てるからだよ」

「ひ、…っるせぇ!し、仕方ねぇだろッ、っつぁ!さ、触んな!ビリビリする!」

「えー?何で?シズちゃん、面白い反応するんだもん。止められないよー」

「ちょ、ま…!くぅぅ…ッ」

そうだった。折原臨也という男はそういう男だった。馬鹿、俺の馬鹿。
臨也が俺の脚を触る度に身体中がビリビリする。俺の身体は一般人とは違うからか、
感度が発達していて一般の人が感じる感度の倍は感じてしまう。
だから、痺れた場所を触られる度まるでセックスをしているかのような錯覚になる。

「ン、んんッ…!ぃ、いざやッ、やめ…ッ」

「…シズちゃんの身体って、凄い敏感だよね。だから俺、大好き。止められないよねぇ…」

ソファの上に倒された。まだ脚は痺れてる。止めてもらいたいのに、どこか期待している自分がいる。
それが許せなくて。目尻が熱くなって、涙が溢れてきた。
たかが脚が痺れただけでこんなになるなんて。

「シーズちゃん」

「ふ、ぁ…?」

「もうこのままセックスしちゃわない?シズちゃんも、ちょっと乗り気でしょ?」

誰がその気にさせたんだ。分かっててやっただろ、お前。
なんて憎まれ口は出てくるはずもなく、俺はただただ頷いた。


♂♀


奥に臨也のが当たって、気持良い。脚だけじゃなく、躯中、どこもかしこも全部痺れてる。
もしかして脚が痺れてる、なんて、嘘だったのかもしれない。

「は、ァ、ああ…、ン、あッ」

「脚触っただけでキュンキュン締め付けてくるね。おかしいな、もう流石に脚は痺れてないよね?」

「ふ、ぅう…は、はァ…し、痺れ、てる、ぅ…」

「嘘吐き。もう治ってるって」

嘘じゃない。まだ痺れてる。全然痺れてる。
お前が触った処、全部全部、気持ち良くてビリビリする。

「ンはッ…い、ぃざや、が…ぁ、触っ、た、とこ…ビリビリする…」

「え…?」

「いざやが、触った処は…、全部、気持ち、よくて…ビリビリ、するんだよ…、だ、から、まだ、痺れてる」

そう言ったら、臨也はピクリとも動かなくなってしまった。これじゃあビリビリしない。
少し身体を起こして臨也の顔を見た。
そうしたら見事に顔が真っ赤になっていて、思わず笑ってしまった。

「…シズちゃん…、それ、凄い告白だね。俺、骨抜きにされちゃったよ」

「こくは、く…?俺、そんな事言ったか?」

「無意識って処もすっごく可愛い。大好き。そんなにビリビリが好きなら、もっと痺れさせてあげる」

腰を掴まれて、大きくピストンをされる。突然だったから今度は身体の奥が凄くビリビリした。
目の前はチカチカと点滅しているようだったし、なんだか電化製品になったような気分だった。

「ひ、ひぁ、ああァ!ゃ、ゃんッ、いざ、いざやァ…!痺れ、ちゃ…、あィ、ぃ、イくぅ…!」

「はは…、シズちゃん、すっごく可愛い。もっと俺で痺れちゃいなよ…ッ」

「は、ぁ、あああーーッ!」

臨也のが中で爆ぜて、俺の腹の中が熱くなる。痺れはもうしないけど、今度は身体が熱くなった。
臨也が俺を抱き締めてくるから、俺も抱き返した。
臨也も俺の身体も熱くて溶けてしまうんじゃないかと思った。

「臨也…、重い…」

「シズちゃん、俺に触られてもうビリビリしないの?」

「ん…、さっきまでビリビリしてたけど、今は凄く熱い」

そう笑えば臨也はまた顔を赤くした。だが顔を赤くしたかと思えば今度は声を殺して笑い始めた。
忙しい奴だな。

「ホント、シズちゃんには驚かされてばかりだよ」

「はァ?」

「ようするに、俺はシズちゃんの事、愛してるって事さ」

またそんな恥ずかしい事を…。嬉しいけど、そうべらべら喋られると愛に重みがなくならないか?
でも、俺はそんな臨也が大好きだ。

「俺はシズちゃんに心も身体も痺れちゃってるからさ、シズちゃん以外好きになるなんて生涯ないんじゃないかな」

その言葉に嬉しくなって、俺は自分の気持ちを声に出さずに目の前の臨也の身体に抱きついた。
俺も、お前と一緒で身体も心も折原臨也という人間でビリビリに骨抜きにされちまってるから、お前以外好きになんかならねぇよ。



(いッ…!)
(どうした臨也?)
(いや、あの…脚、痺れちゃったみたい…)
(…へぇ…?)
(あれ、なんでシズちゃんそんな生き生きした顔してるの?え、あれ、ま、待って待ってシズちゃん!触っちゃらめぇええ!!)

―――――
お待たせしました屮已様!
相変わらずマニアックなリク、ありがとうございます^^
妙にラヴラブな臨静になりました…。そして臨也の台詞が臭すぎる…。うっ!
屮っちゃん、リクエストありがとうございました!


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