臨也が怪我をした。俺のせいだ。
いつものように池袋に現れた臨也に自販機を投げつけた。
それもいつものように避けると思っていたのに、アイツは脚を滑らせたのか自販機を一瞬避け切れなかった。
だからガシャンと大きな音を立てて臨也は自販機をモロに喰らったのだ。

目の前が一瞬暗くなって。慌てて臨也の傍に駆けよれば腕と顔を少し切っていた。
痛そうに顔を歪める臨也。ああ、俺のせいだ。
こんな事、したいわけじゃなかったのに。

「ぃ、いざや…ごめん、大丈夫か?痛い、よな?悪い…怪我させるつもりじゃなかったのに…」

「はは、少し切っただけだよ。そんなに心配しなくても大丈夫」

「で、でも…あっそうだ新羅の処へ行こう!大丈夫だ臨也。俺が連れてってやるからな」

「いや…そんな大げさな事じゃ、…ぅわ!ちょ、シズちゃん下ろしてって…!」

周りの人がザワザワ煩い。それはそうだろう。
俺達は犬猿の仲。一度顔を合わせれば戦争のような喧嘩をしてきたんだ。
そんな俺達が恋人同士だなんて知ったらきっと驚くだろう。
でも今はそんなの関係ない。臨也の一大事なんだからな!

「シ、シズちゃん…!落ち着いて!俺自分の脚で立てるし歩けるから!そんなに心配しなくても大丈夫だよ!」

「いや、駄目だ。もしかしたら骨折してるかもしれねぇ…!俺、手加減できねぇから…」

「へ?いやいや、だから大丈夫だってば…!」

臨也を抱えて新羅の家へ向かう。どうして俺はこうなってしまうんだろう。
このままじゃ俺、臨也に嫌われちゃう、かな…。

「いざやぁ…、ごめんなッ。嫌いに、ならないで、くれ…!」

「シズちゃん…?」

「俺…、こんな、だし…。恋人、らしい事…できなくて…。もしかしたら、臨也は俺に飽きちゃうんじゃないかって…」

臨也を抱えている腕に思わず力が入ってしまう。
俺がいつまでも恥ずかしいと言ってばかりだから、毎日のように池袋で喧嘩をしなければならない。
恋人同士だと気付かれないように。臨也は皆に見せ付けてやろうって言っていたけど、俺は恥ずかしくてそれを断ってばかりいた。

「馬鹿だなぁシズちゃんは」

くす、と臨也が笑った。臨也は俺の腕から抜け出すと俺の腰に手を回して抱き締めてきた。
人前だし、恥ずかしくて顔が赤くなる。

「俺がシズちゃんを嫌いになるわけないだろう?こんなに魅力的なのに」

「で、でも…俺、すぐキレるし、壊すし、か、可愛くない、し…」

「シズちゃんは可愛いよ。自分に自信を持たなきゃ。だって俺が好きになった相手だよ?」

やばい。泣きそうだ。臨也は優しいなぁ。それに比べて俺は…。

「シーズちゃん」

「ふぁ…?」

目の前に臨也の顔があった。唇には暖かい感触。
思わず離れようとしたら頭を臨也が掴んで離さない。
口の中に舌まで入れられ絡められる。

「ん、んぅ…、ふぁ、あ」

口を離される。頭がふわふわする。ぼんやりと臨也の顔を見ていたら。

「ほら、今のシズちゃんの顔。すっごく可愛いし色っぽい。シズちゃんの外見も好きだけど、俺は内面も好きなんだよ?」

俺の事、すっごく心配してくれる処とか。
そう言ってまた俺の唇にキスをしてくれた。俺も必死に自分で臨也の唇に唇を押しつけた。
周囲の目はもう気にしない。だって俺と臨也は恋人同士なんだから。

「ぃ、いざや…その、…怪我させてごめんな?これからはちゃんと街中で手、とか…繋ぐように、するから…」

「いいんだよシズちゃん、そんなに無理しなくて。ちょっとずつ慣らしていこう?俺も一緒だから、ね?」

「ぅ、う…いざやぁ、…!」

池袋の街中で思わず号泣してしまった。
これからはきちんと恋人らしい事、してやらないとな!
だって俺たちは恋人同士なんだからっ!



(シズちゃん、シズちゃん。デートしよ?俺、美味しいパフェがある店知ってるんだー)
(ほ、本当か?い、臨也と一緒なら…どこでもいいぞッ)

―――――
お待たせしました―!
涼たん、遅くなってすまない…。
確かラヴラヴな臨静とリクを受け取ったはずなのだが…。
ラヴ、ラヴか?
静雄が乙女だよてぇへんだ!←
グダグダでごめんなさい!
リクエストありがとうございました!

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