昨日は遅くまで仕事だった。だからか、ぐっすり寝てしまった。
で、朝起きたらこんな状態。

「シーズちゃん」

なんでコイツが此処にいる?ここは俺ん家だぞ。
それに、なんで俺は裸なんだ?ついでになんでコイツも裸なんだ?あ?
意味わかんねぇ。

「お前、何で此処にいるんだ」

「ん?ちょっとシズちゃんを犯しに」

何を言っているのか全く分からない。いや、言っている意味は分かるが、理解したくない。
新宿に住んでる野郎がなぜ池袋に住んでいる俺の家へ来たのか。
わざわざこんな事をするために池袋まで来たのかコイツ。馬鹿か?

「別にいいじゃないかシズちゃん。俺達は相思相愛、恋人同士だろ?」

「それはお前が勝手に思ってる事だろうが」

「酷いなぁ。この前の夜はあんなに喘いでたのにさぁ」

数日前、俺はこいつに抱かれた。それも無理矢理にだ。薬やら玩具やらを使われて、気を失うまで犯された。
おぼろげだが、断片断片は覚えている。くそ、あの時はよくもやってくれやがったな。
思い出したら怒りがまた溢れてきた。くそ、苛々する…。
あれはただお前が一方的に自分の想いを俺にぶつけただけじゃないか。
俺は別にお前の事なんか微塵も好きじゃあない。寧ろ大嫌いだ。殺したいぐらいに。

「ま、とりあえず、俺はシズちゃんを犯しに来ただけだからさ。それじゃあ、頂きます」

「は!?おい、馬鹿何考えて…ッ!」

急に俺にのしかかってきた臨也。そう何度もやられる俺な訳ねぇだろうが。
だが…。耳を噛まれ胸の飾りを抓まれた途端、俺の身体が自分でも驚くぐらい跳ね上がった。
身体に何かビリビリとしたものが走った。なんだこれ。なんだよ、これ…ッ!

「ああ、知らなかった?シズちゃん、耳と乳首が弱いんだよ?」

「は、ぁッ!?…ひッ、馬鹿!触る、なぁ…ッ!」

耳の中に舌と入れてきたり、胸の飾りを弄ったり、臨也はしつこく同じ所ばかりを弄る。
本当は抵抗したいのに。どうしてこの身体は動かないんだ。変な薬も、縛られてたりするわけじゃないはずなのに。
下半身が熱く熱を持つ。脚全体が、ガクガクと震えあがる。

「ぃや、嫌だ、臨也ぁ…ッ、」

「怖いの?大丈夫だってシズちゃん。ちゃんと優しくするから、ね?」

どうしてだろう。どうして、コイツが言う事を素直に信じてしまうんだ、俺は。
コイツが優しくするなんてそんな保障はないのに。変だ。俺も、コイツも。
おかしくなってしまんだ俺は。コイツに出会ってから。
俺自身を掴まれて、シュコシュコと上下に擦りあげられる。ああ、駄目だ。
変な声が出る。抑えられない。気持ち良い。

「あぅ、ぁぁあ、…ひァッ、ああぁ…ッ、ンぁあッ、う、…ッ、やぁ…ッ」

「ふふ、かぁわいいシズちゃん。先からこんなにダラダラ出しちゃって、あはは、エローい!」

それはお前が弄るからだろ!と罵声の一つや二つ浴びせてやりたかったが、俺は今それどころではない。
身体と思考がバラバラに動く。気持ちは嫌だと訴えているのに、身体は喜んでいる。
なんだよこれ。俺の身体だろうが!なんなんだよ。どうなっちまったんだよ!
初めて自分自身が恐ろしいと思った。
臨也がギュウと力強く俺自身を握った瞬間、少し遅れて俺は達してしまった。
なんて事だ。よりによってコイツの手でイかされるとは…。屈辱だ。
これは紛れもない屈辱だった。

「シズちゃん、結構溜まってたね。出してなかったの?」

「ぅ、るせ…。いいから、どけよ…」

「嫌だね。何自分だけ気持ちよくなってんの?俺も気持ち良くさせてよ」

俺が吐き出した白濁液が付いた手で俺の孔をまさぐる臨也。ま、まさか。
コイツ、間違いない。後ろに突っ込む気か…!?

「い、臨也ッ、頼むッ…それだけは止めてくれ…!」

「何で。この前は入れたじゃん」

「この前はこの前!今は今だろうがッ、ゃ、あッ!ひぐッ…!?」

「シズちゃんだけ気持ちよくなるとか理不尽。俺はシズちゃんの中で気持ち良くなる事に決めたから。今更遅いよ」

何と言う我儘な野郎だ。本当に発言が自由過ぎて困る。付き合うこっちの身にもなってくれ。
指を孔へと突き立てられた。痛い。あー、痛い。コイツは俺の痛みを分かってやってんのか?
分かってなんだろうな。なんせ、あの折原臨也だからな。
カリ、と臨也の指が俺の良い処を掠る。それにきっともう臨也は気付いているだろうが、
そこをあえて無視する臨也は相当根が悪い。あーくそ、身体の快楽が吐き出せない。
熱いモノがグルグルと身体中を駆け巡る。
前の時は薬やら玩具やらで弄られた記憶がほんの少しあるだけだから、
この後どうなるとか、そんな事予想も付かない。
ヤるんだったら早くして貰いたいもんだ。俺もそろそろ限界だ。
グチュリと、引き抜かれたと思った矢先、今度はもっと太くて熱いモノが宛がわれた。
ソレは無理矢理俺の中へ入って来ようとする。条件反射で俺はソレの侵入を拒もうとするが、
そんな努力を余所に臨也は自身を俺の中へと深く入り込む。苦しい。痛い。気持ち悪い。

「ぐ、ぅッ、ぁ、あぐッ!…は、ぁあああーッ!」

「ッつ…、は、…ほら、シズちゃん。全部入ったよ」

「ひ、ぐ、…ぁ…、はぁ、んッ…、は、はぅ…!」

苦しい。息がし辛い。目の前が霞む。腹の中は気持ち悪いし、身体は熱いし。
ああもう。誰か助けてくれ。臨也が何か言っているようだが、断片でしか聞こえない。
なんでもいいから、早く終わらせてくれ。臨也が俺の耳元で何か呟いて数秒。
激しく腰を突き立てられる。痛いし苦しいし気持ち悪いし。それを上回るのが、強烈な快楽。
もっと、もっと、奥を突いて。俺が、俺じゃなくなるぐらい、激しくしてくれ。

「はぁあああんッ!あ、あッ!…ひぐぅうッ!」

「っは、ぁ…シズちゃんの中、さいっこー…」

「ああああッ、や、ゃ、う…!ぅあッ、そこ、そこは、ァ…ッ」

「何…?気持ち良いの?」

「ん、ん…ッ!…もっと、突いて、ほし…ッ」

「シズちゃん、かーわいい!良いよ。今日は特別ね」

パシンと叩かれるように打ちつけられた腰の衝撃で、俺は悲鳴のような声を上げて達した。
ああ、なんて情けない。その少し後から、ドロリと暖かいモノが俺の中へ放たれた。
コイツ、中出ししやがった…!身体を洗いたいが、今、強烈に眠い。さっきまで寝ていたはずなんだがな…。

「ん、は…は、はぁ…。て、めぇ…臨也ッ…!」

「ごめんごめん。後でちゃんと洗うから。あ、それよりもさ」

「………?」

「俺、今日からこの家住むから。一か月ぐらい」

「……………は?」

「俺の前の事務所がちょっとヤバい処に見つかっちゃってさー。ほとぼりが冷めるまで此処に住む事にしたんだ」

「お、まえ…!何勝手に決めてんだ!そんなの俺が許すわけ…ッ」

「ああ、大丈夫。シズちゃんの仕事の邪魔はしないから。シズちゃんは、俺と一緒に居てくれるだけでいいからさ」

そう言って微笑む臨也。なんだこれ。コイツ、それを言う為にこんな事したのか?
怒りを通り越して呆れるしかないな。もう、なんでもいい。コイツと一カ月も一緒に住むなんてごめんだ。
…だけど、追い出す、なんてそんな真似俺に出来る訳なんだ。
理由を考えようとしても、言葉が見当たらない。まぁ、いいか。もうそんな事を考える余裕を俺は持ち合わせちゃいないんだ。
とにかく、もう一度寝てから考えるか…。



(シズちゃん、また寝ちゃうんだ。ほら、もうお昼だよ)
(てめぇのせいだボケ。死ね)
(じゃあ俺も一緒に寝るー)
(断る。お前は床で寝てろ)

――――――
お題で挑戦です。全10題。

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