主人公

 [名前] 不知火 紗夜さや(名前のみ変換可)

 [性別] 女

 [年齢] 梓、翼と同じ1年生

 [部活など] 無所属

 [容姿] 金髪で腰まであるロングヘア(意外とサラサラ)

      ある理由で左目に包帯を巻いていて、左目が包帯で隠れている

      極端に言えば…「不良」

      見た目のオーラが半端なく怖い

 [その他] めったに人に心を開くことがない

       信用している人も指で数えられるくらい

       見つめているだけなのに、睨まれていると勘違いされることが多い



















プロローグ「“裏切り者”」





ここは桜櫻花さくらおうか女学園。

女子高である。

そんなある日、この桜櫻花女学園でとある事件が起こった。





「きゃぁあぁぁあ!!」


1人の女の子の叫び声。

教師が急いでその声が聞こえた教室に入る。


「どうした!?」


教室には、2人の女の子が居た。

1人は叫び声の主であろう子。

そしてもう1人は…この女学園で最も美人だと言われている子だった。

その子の名前は紗夜。

桜櫻花女学園の1年生でありながら、とても美人でみんなの人気者なのだ。

整った顔に抜群のスタイル、そして心優しい性格が彼女をより輝かせる。

しかしどうやら、女の子の話によると紗夜が何かやらかしたらしい。




「先生!紗夜ちゃんが夕紀ゆきちゃんの鞄を捨てようとしてたの…!」

「何だと!?」

「それで…っ私が止めようとしたら、紗夜ちゃんが殴りかかってきて…!」

「それは本当なのか?」

「私は何もやっていません!何で私が親友の夕紀の鞄を捨てなければいけないのです

か!?」

「そう言われるとそうだな…」

「本当です先生!紗夜ちゃんが…夕紀ちゃんの鞄を…!」



女の子の頬には涙が伝っていた。



「分かった、お前の言うことを信じる!だから泣くな」

「そんなっ…!?」






こうして事件の真実を知らないまま、みんなあの女に騙された。

紗夜は人気者から裏切り者になり…いじめられるようになった。



「ホント、ありえないよね」

「マジうざい。ちょっと可愛いからって調子のってんじゃねーよ」




いじめられるようになってから1週間くらい経った日だっただろうか。

彼女は1番大きな怪我を作ることになる。

紗夜が1人で廊下を歩いている時だった。

外には小石を持って楽しそうに笑っている女の子達の姿…

嫌な予感がした。

紗夜が急いで廊下を通り過ぎようと足を踏み出した時、


紗夜の真横にあった窓ガラスが割れた。

女の子達の持っていた小石が窓ガラスに当たったのだ。

そしてガラスの破片はバラバラの方向に飛んでいき…

大きな破片が運悪く、紗夜の左目に刺さっていった。




「っ!!?」




声にもならない衝撃的な痛みが、紗夜を襲った。

そんな紗夜の目の前に立ち、見下す女の子達。

誰もが声をそろえて言うのだった。





「ざまぁみろ」●●●●●●





それからも暴力などは続き、彼女の体には包帯や湿布などが纏われていた。

その容姿はまるで不良。

不良と勘違いされ、ケンカを売られ、怪我はいじめの他にも増えていった。

そんなことを繰り返し、ケンカに強くなっていき…

女番長、なんて呼ばれるようになった。


優秀で人気で美人だった紗夜は変わってしまった。

絶望を味わうことになってしまった…あの事件のせいで。

美人なんて容姿は、どこにもない。

もう彼女には……怒りや悲しみ、憎しみしか見えない。

一体誰が…彼女を変えてしまったのでしょうか。




「親友の鞄を捨てようとするとか、最低だよね」

「ホントだよ!夕紀も何か言ってやったら?」

「うん…。今まで親友とか思ってたけど…今は違う」



「……見損なったよ、紗夜。アンタなんか…友達でもないから」

「……夕紀っ…!!!」




誰も知らなかった、紗夜が泣いていたことを。

誰も知らなかった、夕紀の言葉が…1番紗夜を傷つけていたことを。

誰も、知らなかった――――――――











それから数日後、

彼女はある事件やケンカが原因で桜櫻花女学園を退学することになった。

そして、ある男の子の誘いに乗り、

彼女が星月学園に転校するのは…



これから始まる物語に関係するのだろうか―――――――?