「ルーシィ!コレ、洗ってくれっ!!」

ポイッと投げ渡された馴染みのあるナツの上着。片袖だけの丈が長いそれ。

汚れた上着を洗濯して、日の当たる場所に干した。心地の良い風によってヒラヒラと揺れながら。

日が傾いたことに気づき、ルーシィは自分の洗濯物と一緒に彼の服も取り込んだ。
ナツの上着を広げて畳もうとしたが、何を思ったか左腕を袖にとおして着てしまった。
鏡の前に立ち、

「うん、やっぱり大きいわね!あたしが着るとロングワンピースみたいになっちゃうわ…ふふ」

ルーシィは満足したのか鏡から離れて大きな上着を脱ごうとした時、背後から視線を感じた。

「ナツ!?あんた、来てたの!?」
「おお、声掛けようと思ったら、…金髪姿のオレがいたから面白れえし、見てた!」
「あ、ご…ごめん。勝手に着ちゃって…、匂い、うつっちゃったかしら…」
「それは好都合だな…」
「ん?…なんで?」
「いあー、別に…」
「変なナツ」
「おいっ、脱ぐなよ!!」
「はあ?さっきから何言って…脱がなきゃ返せないでしょ?」
「――オレが脱がしてえ」(ルーシィには聞こえない声で)




――ルーシィは下にちゃんと服を着ているのに、なんとなくピンク妄想をしていたからかナツさんがこんなセリフに…(意味不明…汗)――

★☆★☆★


オレはいつだって――

遠くからでもあいつを見ているのに――

あいつだけは気づいてくれねえ。

だから、金髪を追って目が合ったとしても、それは偶然のように思っているのか、あいつは平然としてんだ!

――…なんでだよ。



今は空席。
そのすぐ隣で、ミラに頼んだ火竜専用のパスタを頬張る。
ナツが考えるなんて珍しい、だが彼女のことならそれは別問題だ。
肘が当たったことで側に置いていたジョッキを倒してしまい、中身を思い切りテーブルの上へとぶちまけてしまった。

「うあー!!やべえ…」
「ナツったら何してるのよ…」

呆れた声で、布巾を手に持ち駆け寄ってきたのは、銀髪の少女。

「ん?リサーナか。…わりぃ」
「元気ないわね、…あ、そういえば…まだ来てないから」

手を動かしながらギルド内を見渡すが――お目当てのその人がいない。

「違えぞ!」
「はいはい。そんなこと言っても顔真っ赤じゃない!」
「オレは火竜だ!!」
「そうだけど〜…ナツはからかうと面白い、相変わらずね!」

そう言うと、キレイに拭かれたテーブルから離れていった。


まだ、来ねえのかな…。
ルーシィ!ルーシィ!――と、心が叫んでいる。

オレがヘマしたら笑って駆け寄って来てくれるのに…

ルーシィ遅えぞ…、早く来いよ。
オレを呼ぶ時のあの声で、“ナツ”って呼んでくれよ。
そしたらオレも、

――笑えるから。







★☆★☆★


(ナツハピ会話文)



「ナツー!ごはん出来たよー」
「おう!ありがとな、ハッピー」
「あい!」
「コレ、うめえな。…ルーシィが作ったのに、似てっけど?」
「オイラ、ルーシィに教えてもらって一緒に作ったんだ!ナツが好きだからって言ったらルーシィ嬉しそうだったよ!」
「お、オレはべつに…そんなんじゃねえぞ!」
「クフフ…素直じゃないね、ナツ。ルーシィは珍しく素直だったのに…」
「へ?アイツが、か?」
「ナツがあたしの作ったものにいつもおいしいって言ってくれるのは…あたしの愛情をたくさん込めているから、特別に美味しく感じるのかもねって!」
「ルーシィが、言ったのか?」
「あい!真っ赤な顔してね。可愛いよね、ルーシィ!」
「……っ、まあ…そうだな」
「ナツ、ルーシィが好きなんでしょ?」
「す、好きってハッピー…おまえな、」
「オイラもシャルルにオイラの愛情をいっぱい込めて渡すんだー。ナツ達のキューピット役はそろそろ降ろさせてもらいます…」
「キュー…なんだそれ!?」
「ナツとルーシィをくっ付ける役だよ!」
「はあ?くっ付けるって…」
「もう、早くルーシィとくっ付いてよ、みんな気になっているんだから。ルーシィがダメなら、ナツが動かなきゃ!!」
「くっ付けって…。そりゃオレだって、ルーシィと――」
「ナツ?…オイラ滅竜魔導士じゃないから、聞こえないよ」
「だあー、なんでもねえ!!」
「ナツ?どこ行くのさ?」
「決まってんだろ…ルーシィんとこ!」
「あい!行ってらっしゃーい!」



★☆★☆★

もしルーシィがしもやけの手をしていたら・・・その時ナツさんはどうする?からの妄想。
もちろん、にぎにぎしますよね(笑)
マッサージもしてくれるかな…ナツ。マッサージも大事らしいので。
そう言えば…ルーシィは寒がりなのですかね?
手袋代わりになってあげるナツ。暖めてあげて!冬こそナツの出番なんだから。
足も、身体もぽっかぽかにね。
ココアとか缶のあったかいのを持ち、頬に触れて「あったかいなぁ…」と目を瞑って言っているルーシィを横目に、それを取り上げて自分の手で暖めてあげてほしい。


★☆★☆★


※同じ色…お揃い…ペアルック!




「ルーシィー!!」
「ん?なあに、ナツ?」
「オレ、ルーシィと同じものがほしい!!」
「…同じものって、お揃いのものってこと?」
「おう!グレイに言われただろ?ペアルックだっけか?星霊のな、…今度は服じゃなくて、何か物がいい!!」
「あ、…あの時はバルゴが余計な気遣いをね…って聞いてないし」
「なんかねえかな…」
「それなら…」

(指輪は?…なんて言えない)

「お!ルーシィなんかあるのか?」
「え、あ…――――」
「どうした、顔赤えぞ?」
「…っ!?……じゃあナツも、あたしみたいにツインテールにしたら?」
「はあ?」
「クスッ。確か前にリサーナがっ…て、ナツあの時寝てたわね」
「なんだそれ?知らねえぞ!!」
「あはは。思い出したら見たくなってきた…ナツ、こっちに来て!」
「イヤだ!!」
「何よぉ!ちょっとくらい良いじゃない、可愛いのに」
「髪型じゃねえだろ!!…なんか残るものがいいんだ!!」
「残るもの…」
「ルーシィ?」
「ちょ、触らないで!…ダメ。ごめん、」
「んだよ。手、触られるのイヤなのか?」
「そうじゃないけど、あ、もうっ!ナツったら…」
「手がダメなら、こっちがあるし…。お揃いのもの…買おうぜ!!」
「こっちって、もっとイヤ。恥ずかしいでしょ!くっつかないでよ」
「ケチだな、イヤだって言われると余計したくなるってもんだ。それより、なんか欲しいもんあんのか?」
「ナツ…あんたって。はあ〜。あっ!お揃いのもの…あるじゃない。ここに!!」

右手を見せる。

「……、ギルドの紋章って言いたいのか?」
「そう!色は違うしあたしとだけ、じゃないけど、…ダメ?」
「いあ、ダメとは言わねえけど。…でもよ、それならグレイともお揃いってことじゃねえか(イヤだろ)ギルドのみんなそうだよな」
「あ、…まあ、そうなっちゃうけどね」
「それってお揃いって言うんか?オレはもっと違え方がいいぞ!」
「みんなとお揃い…よね」
「ルーシィと、オレだけのもの!!」
「そんなにほしいの?…あたしと同じものが?」
「おう!…ほしいぞ!!!」
「…ナツも赤いピアスする?ハートは無理だから何がいいかしらねー」
「…ピアス?無理だろ!溶けるぞ」
「あ、そうだったわね」

(そっか、忘れてた…身に付けるものはダメじゃない)

「ん?どうしたルーシィ?…おまえ泣きそうだぞ」
「……ん、ちょっと、気づいたことあって」
「なんだ?」
「ううん。いいの、なんでもないわ」
「気になるじゃねえか、言えよ!」
「――あたしは、…身に付けるものがいいかな〜って、思ったの。でも、」
「…っ!?グレイとお揃いのものはさせねえぞ!!」
「グレイ?ちょっと、なんでそこにグレイがでてくるのよ!?」
「あいつ…首にしてんだろ?だから、」
「…あぁ。そういうことね。ふふ…」
「笑うな!」
「はい、はい!心配しなくても、あたしは大丈夫よ…ナツ」
「う、だってよ。おまえ最近、氷野郎の所ばっかりいるし…ジュビアも一緒だったけど」
「え?……あんた、あの時見てたわけ?――あれは、誤解よ!」
「ホントか?」
「うん。もちろん」
「そっか、そうだよな…ルーシィの隣はオレだもんな!」
「…あ、――そう、ね」
「そうだろ?…オレの隣はルーシィだけだ!…安心しろよな」(ニカッ)
「…やめてよ、もう。…そういうこと言うの」
「なんだよ!イヤなのか?」
「嬉しいけど、…嬉しくない―!」
「どっちだよ?変なルーシィ」
「アンタに言われたくないわよー!もうーイヤー」
「おもしれえな、だからすきだ!」
「…っ!?」







★☆★☆★


「もう!喧嘩ばかりして!!」
「うっせえーな!いいだろ!!」
「…あら、そう。じゃ知ーらない!」
「へ?…ルーシィ、どこ行くんだ?」
「あたし、うるさいんでしょ!?」
「…う、うるさくねえよ。だから…」
「だから?」
「…手当て、してください」
「ふふ、最初からそう言いなさいって!」
「…おまえ顔ちけえし!」
「いつもナツがすることじゃない、これくらい近くないでしょ!」
「…ちけえぞ」
「ちょ、何よ!」
「いあ…今、気付いた。ちけえんだな、オレたち…」
「あ、…あたしは!別に、いいけど」
「いんや、さすがにちけえよな、…わりぃ、ルーシィ」
「あんたならっ!……嫌じゃ、ないわよ――」

(超小声で)




★☆★☆★


「オレなんか、いなくていいんだろ?」
「え?急に何よ!?そんなこと言ってないわよ」
「言ってんのとおんなじなんだよ!」
「…ナツってばオイラに、…クフフ」
「ちょ、何よ!ハッピー!?」
「おい、なんでそっち向いちまうんだよ!今はオレと話してんだろ!?」
「へ?…それってハッピーに」
「な、…なんでもねえよ!!」





「…ナツ、可愛いわね」
「ルーシィ、そんなこと言ってもナツは嬉しくないよ!」
「ん?…そうだけど、あたしにとっては最高の褒め言葉なんだけどなぁ」





「――カッコいいって言えよな」



「……」
「……」
「やっぱり聞こえてたのね」
「…あい。ナツは滅竜魔導士だよ!」



「んー、…ナツは、カッコいいわよ!!」

(クスッ)





「嬉しくねえー!!!」







★☆★☆★


あいつは誰と行ったんだ?

オレ、おまえと行きたかったんだぞ!
けどよ、リサーナとしゃべってる時だったのか?
チラッと見える視線の先にオレの好きな…いあ、なんでもねえ。
さっきまでミラと話してたじゃねえか。
いつの間にかいねえんだもんよ。




――誘えなかったじゃねえかよ。




いつもと違ったおまえの浴衣姿見たかった。

…そんなこと恥ずかしくて、言えねえし。


おまえの隣はオレだぞ!それだけは誰にも渡さねえ!!
おまえの隣に行くから、待ってろよ。



――ルーシィ。




☆★




…あたし、本当はナツと一緒に行きたかったんだ。
お気に入りの浴衣を着て。

でも、それはもう叶わない?
あたしの隣にあんたはもう来てくれないの?

待つのはイヤなのに。



でも、あの子のように素直になれないから。
あたしはいつまでだって待つしかないのよね。





逢いたいよ。



――ナツ。





★☆★☆★

ルーシィに言ってほしい台詞。メモしてあったもの。

設定:デートだと思ってるルーシィ。
   ただ、ルーシィと二人で出かけることが嬉しいナツ。
   相棒はお留守番。もしくは愛しの彼女のもとへ。

「迎えに来なくていいから!」
(ナツ:なんでだ?)

「…待ち合わせしてみたいんだもの」

(ルーシィの脳内では…『待ったか?…ううん、今来たところ。って会話してみたいのよ…相手を待つ時の緊張感とか味わってみたいんだもん』)



★☆★☆★

・こんなナツルーが可愛いなぁと妄想。

“洗面所で手を洗ってるルーシィ…石鹸でよく泡立てゴシゴシと。それを見てナツは後ろからぐっと腕を伸ばしてルーシィの泡立った両手を包み込んでゴシゴシする(ナツは顎をルーシィの肩に乗せて無邪気な笑顔)”
ナツの方が大きい手をしてるから、些細なことでも自分と違う大きさに気付くとかが特に良い。ふたりの距離感も^^

・定番なシチュ、身長差を意識して妄想。

比較をしたくないけど、ナツは周りにいる男の中で小さい方なのでしょうか?ナツも気にしてたりするのかな…。
“電球を変えようと背伸びをしているルーシィを部屋に侵入して見掛けたナツは、横からそれをひょいっと取り、替えてあげる”…手が触れるように触っていたらなお良い(笑)

ナツー、がんばれ!!(私の心の声)




☆★☆★☆


※ナツルーというより、ハッピー+ルーシィかな?



お風呂上がりの金髪の彼女から漂うほのかな香り。


「…あっルーシィ、シャンプー変えたの?」
「…え!?……わかる?」
「あい!オイラでもわかるよぉ」
「そ、そう…それじゃ、ナツもすぐ気づくかしら…」
「くふふ…ルーシィにちょっとでも変化があれば、鼻が利かなくても気づくよ!ナツは」
「!!?…ちょ、いきなり何言ってんのかしら?…そんなことないわよ。火竜だからわかるだけで、ナツだもの。…鼻が利かなかったら、わからないわよ」

彼のことになると頬を赤く染めるルーシィのことを、シャルルの次に可愛いなと思う青い子猫。

素直な想いを言葉にできない彼女でも、その表情から伝わってくる。

――オイラにはわかるよ。

なのに………、
ルーシィをいつも一番近くで見ている、傍に居る存在で、時には触れ合ったりすることが当たり前かのように笑顔を見せる相棒に対して、どうしたらそんなに鈍感でいられるのだろうかと溜息も出てしまう。


「ルーシィ、そのシャンプー桜餅のにおいがするね」

「ん?…もう、桜餅じゃなくて桜よ!…桜の香りのシャンプーなの!!」
「グフフ。それじゃ、ナツの髪の色だね!」
「…うっ。――あいつには内緒にしてて。何言われるか想像つくわ!」
「良いにおいだよぉ、オイラは好きであります。あい!!」

前足を上げて、ルーシィの肩に飛び乗った。

「ホント?良かったー。あたしも気に入ってるの。…桜色の・桜の香りのシャンプー」
「オイラもルーシィと同じにおいになりたいです!」
「へ?…それは構わないけど。ってか、マズイでしょ。ナツもきっと、…ん?ちょっとハッピー、まさかそれを狙っているんじゃないわよね!」
「…何のこと?」
「〜〜〜!!もう、ハッピー!!」

大きな声で子猫の名を叫ぶルーシィ。

途端、翼(エーラ)を広げて窓の外へ向かうが…
チラリと覗く桜色の髪が視界に入り、速度を緩めた。







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