*2012/12/16 16:43*


―――gamble:蜜柑さんより、リクエスト小説を頂戴しました―――


こんばんは




公園のベンチに座ったルーシィの頬を、冬の冷たい夜風が撫でていった。

同時に金髪が煽られ、空中に舞う。



視線の先には星や月が輝く夜空。

まるで絵画のようなこの光景に、一人の男がやって来た。



鱗模様のマフラーを靡かせて、音も無くゆっくりと。

ルーシィの近くまで来たところで……



「ルーシィ」



と小さく声を掛けた。

驚いたように目を少しの開きながら、ルーシィが男の方へと顔を動かし、



「…………ナツ」



こちらも小さく応えた。

ナツと呼ばれた男はルーシィの隣へと腰を降ろし、先程までルーシィが見ていた夜空を見上げる。

ベンチに置かれた、冷えきった手を自分の無骨な手で包みながら。



「今日は星が綺麗だなぁ…」

「うん。星がよく見えるのよ」

「お、あの星はなんだ?」

「あれは……オリオン座かな」

「ほぉ……………」



それきり会話は途切れ、暫しの静寂が訪れる。



「……ルーシィ」

「何ー?」



やがてナツがポツリと呟いた。



「…………好き、だ」

「…………………うん」



ほんの少し頬を赤くしながら言った。

その言葉に驚くこともなく、照れることもなくルーシィは静かに返す。



「………あたしも、好き」

「……………おぅ」



この返事を聞いたナツは、満足そうに笑った。





はたして、この"好き"は仲間としてなのか、異性としての"好き"なのか。



それは、本人にしか分からないこと。









夜空の星が、こっそり笑うようにきらりと光った。




☆★☆★☆

うわぁ\(^o^)/光景が星空〜☆素敵です!

どちらの“好き”なのかは、本人達にしか知らないけれど、想いを伝える前の…………の部分にニヤってなりました(笑)
ちょっと溜める感じが良いデスネ!うふふ。

想いを伝え合う二人の雰囲気に悶えました!
いつも賑やかな二人だからこそ、このようなシチュエーションもたまらない(>_<)

星って良いですよね〜ルーシィを思い出して、キュンキュンします^^

冷たくなっているルーシィの手を温かいナツの手で包み込む。
良いなぁ…
ニヤニヤしちゃいますね、かなり怪しいですが…(-_-)

蜜柑さん、リクに応えて頂きまして、ありがとうございました!
今後も変わらず、楽しみにお邪魔させて頂きますね。

マイペースに執筆・サイトの更新なさってください^^
応援しております!







―――山査子:氷野安芸さんより2012X'masフリーを頂戴しました―――


ハッピーがリリーと特訓だからって、泊まり仕度をしていたから。
それをナツがつまらなさそうに、付き合いの悪くなった青猫を見ていたから。
あたしはずるい女になってしまった。
周りを自分への言い訳に、まるで意図したことじゃないのよって顔で、ナツを誘ってしまった。

「ああ、どうしよう」

自宅に帰り着くなり頭を抱え、ルーシィは息を吐き出した。
『そんな暇だって言うなら、明日遊びに行かない?』
だなんて、平気な顔してなんて事を言ってしまったのか。
『おういいぜ』
そう言って簡単にあたしの誘いに乗ってきたナツに、しても空回りだって分かってるだけの期待をしてしまう。
だって、明日は、クリスマスイヴなのだから。
きっとナツは気付きすらしてないだろうし、そもそもクリスマスを二人で過ごす意味だって、わかってはいないだろう。
明日どんな顔で会えばいいのよ、服は、髪は、いつものあたしがわからない。


「キ、キャ、キャンサー!たすけて!」

「了解エビ 」

戸惑いのまま呼び出したキャンサーに、とりあえず明日の服やメイクを相談する。
ああもう、どうすればいいのかしら。



“世界に魔法の杖をふる”




待ち合わせ時間より早く到着してしまい、ルーシィは冷たくなった両手をこすり合わせた。
なんだか、すごく楽しみにしていたみたいだわ。
ナツと一緒にクリスマスイヴを過ごすだけなのに、ギルドの外というだけで、何故か浮き足立つような妙な気持ちになるのだろう。
何度も繰り返した自問に、あえて答えを探さずルーシィははぁっと指先に息を吹きかけた。


「おはようルーシィ、待ったか?」


ポン、と肩を叩かれ、振り向くと楽しそうに笑うナツがいた。
いつものマフラーはそのまま、厚手のパーカーにチノパンというラフな格好だ。


「おはよう、ナツも早かったわね。待ち合わせ時間まだよ」

「ああ、ミラにこういうのは早めに行って待っとくもんだって言われて」

ルーシィ早すぎだろ、とナツは唇を尖らせた。

「そういや今日はクリスマスイヴだったな。せっかくだしツリーでも見にいくか」

「え、あんたクリスマスイヴ知ってたの?」

「は?そんなん常識だろ」

バカだなールーシィ、と意地悪く笑い、ナツはルーシィの手をとった。
冷え切った手を包み込むように握られ、ルーシィは咄嗟に手を引く。
じんわり伝わってくる高い体温が心臓に痛かった。

「なんだよ、寒そうにしてっから温めてやってんだろ?」

炎の滅竜魔導士らしい体温に包まれた手に、今度こそ真っ赤になったルーシィは意思を持って引く。
だって、そんな事、相手がナツだとしたって、以前読んだ恋愛小説みたいだ。

「そ、そうだけど…ううん、やっぱいいや」

そうだ、ナツ相手に構えたって仕方ない。
自分なりの決着を出し、腕に込めていた力を抜く。

「変なやつ。って、ルーシィは元から変だったな」

そう言ってナツはにやりと笑うと、ぐいっと手を引いた。

「ほら行こうぜ!確か商店街だったよな」

「そうよ、確かソーサラーに魔法で仕掛けがしてあるって書いてあったわ」

「なんだそれ?面白そうじゃねぇか!」

ぎゅっと握られた手を引く力が強くなって、ナツの感情が伝わってくるようだ。
ルーシィは少し俯き、火照った顔を空いている方の手でこすった。



引っ張られるまま商店街の開けた所に作られた、イベントスペースに設置されたクリスマスツリーの前に来ると、流石にイヴなだけあって周りはカップルばかりだった。

「普段こいつらどこにいるんだろうな?商店街こんな混んでたの見たことねぇ…」

「そんなの、クリスマスだからしかたないじゃない」

「それもそうか」

人ごみをかき分け、綺麗に飾り付けられたツリーの下までなんとかたどり着く。
ツリーの横に小さく立てかけられた案内板には観覧の注意と、かけられた魔法の説明が添えてあった。

「時間帯で変わるみたいだけど、光ったり音が出るみたいよ」

「へーおもしろいな」

「もうすぐ何かあるんじゃないかしら?」

「じゃあちょっと待ってようぜ」

楽しそうに口角を上げたナツが牙を見せてそう言った。
握られたままですっかりナツの体温と同化してしまったはずの、自分の手が熱い。
ナツの顔を見ると、胸の奥が苦しい。
逃れるように、ツリーを見上げ頷きだけで返す。
きっと見上げるツリーが目に眩しいのは、ナツのせいだ。
手なんか繋ぐから、嬉しそうに笑うから、あたしはただのチームメイトでいられなくなってしまう。

「ルーシィ、見ろよ」

「え?」

「ツリーのてっぺん、星がまわってる」

「あ、本当だ」

金色の大きな星がゆっくり回って、緩やかに賛美歌が流れ始めた。
あたし達の周りから次々に歓声があがった。
人が多いとか関係なく、ツリーから流れる歌の美しさに酔わされるようだった。
ナツと繋がっていたままの手を握ると、同じ強さでナツが握り返してきた。
それにつられ、逃れたはずのナツの顔を見てしまった。
ナツは何故か戦っている時のような、酷く真面目な表情であたしを見ている。
どうしたの、と口を開こうとした時、

「好きだ」

ナツはそう言って、ゆっくりあたしから視線を外した。

「……え…」

「…あ、いや、…」

周りが見えなくなるって、本当にあるんだ。
それか、ナツの赤くなった耳が、周りの人も景色もボカしてしまったのかもしれない。

「その…好き、だ、って、仲間として?」

よね、と言いかけ、ナツに力なく笑いかける。

「…このタイミングで流石にそれは無いだろ」

「えっと、じゃあ…」

「そういう事だ」

ふいっとそらされた顔が、真っ赤になっていた。
どうしよう。
嬉しい。
頬が熱い。

「あたしも」

擦れるような小さな声で返した言葉に、ナツの手が熱くなった。



☆★☆★☆

密かに(いあ、需要はありますと思い切りコメント送っていましたね(笑))
楽しみにしておりました♪
フリーを絶対ゲットするんだって意気込んでましたので(笑)

甘酸っぱい…良いと思います!!ナツルーですもの*^^*
キュンキュンしましたよ。
ルーシィから誘った・声を掛けたってことも良いなぁと思いましたし、
ナツの格好も、ものすごく好みです!ラフな姿ってナツさんらしい♪

“ナツと繋がっていたままの手を握ると、同じ強さでナツが握り返してきた”
この一文で、二人の想いが伝わってきました、…私がドキッとしましたね^^

普段通りのナツでしたが、急に真剣な眼差しを向けてくる…戦っている時のような顔、イメージしていたら、これはルーシィも戸惑いを隠せませんよね〜。
うふふ…。
ナツとルーシィを見ている第三者としては、楽し過ぎてはしゃいじゃいます!
いいぞ、もっとくっつけって(笑)
そして、気持ちを告げるナツにヤラレマシタよ…(バタリと(笑))
不意打ちだ…><でも、ありがとう。ルーシィと同じで私も嬉しいです。
仲間として?と思ってしまうのは仕方のないこと。
「…そういう事だ」って、うふふふふ…(興奮中)

可愛くてキュンっとなる、ナツルーをありがとうございました!
そして、フリーですごく嬉しいです。
今後も楽しみにお邪魔させて頂きますね^^
私生活でもお忙しくされていらっしゃるご様子なので、体調にはお気を付けください。



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