バラの花束


人間ってすばらしい!
(何があったの?)
三月十四日、つまりホワイトデー。一般的には、バレンタインデーのお返しをする日です。世に倣って、僕、裕哉も彼女にプレゼントをすることにしました。
僕がお付き合いしている彼女の名前は、菜由汰と言います。ご両親は数学が好きならしいです。父さんは大学教授だと聞いています。億や兆よりもでっかい、那由多が名前の由来らしいです。しかし、彼女は大の数学嫌いです。そして、得意教科は国語です。いつのことだったか、彼女は僕に「数学などが存在するから経済に不況があるのだ」と言いました。数学が無かったら、そもそも経済すら無いと思います。しかし、あえて、何も言いませんでした。言えませんでした。
そんな彼女も、数学が出来ないわけではありません。
「あの子は××××年に生まれたのよ。ならば、今は、××歳ね。死んでるけれど」
計算が早かったです。ちなみに、誰のことかは分かりません。僕が知っているのは、彼女が自称・二次元の住人だということです。
「菜由汰、これ、受け取って」
悩んだ結果、僕は菜由汰の趣味を反映して、バラの花束をプレゼントすることにしました。花屋さんでお姉さんにこれを頼むのは、冗談抜きで恥ずかしかったです。
そんな僕の苦労を知らず、菜由汰はこう言いました。

バラの花束贈っていいのは二次元の住人だけだからさ

わかっていたよ、そんなこと!
「でも、もらえるものはもらっておく。あぁ、……ありがとう」
菜由汰は心なしか照れているようにも思えました。可愛いです。僕はこんな彼女が好きみたいです。



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確かに恋だった




 

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