においたつさよなら


桜が開花する頃、向こうに行くよ。
彼がそう言いました。
出会いの季節である春、今日、四月の第一土曜日、彼はこの地を去っていきます。
私は明るく見送ってあげようと思います。
もう会えないわけではないのです。
少しの間我慢すれば、また会うことができます。
それでも、この寂しさはどうしようもありません。
気を抜くと、すぐに涙が出てきてしまいます。
私はどうやら、彼のことが相当好きみたいです。
泣き虫だなぁ、と笑ってください。
泣き虫な私ですが、ひとつ、彼に約束しようと思います。
あなたと次に会えるときまでに、もっと自分を磨きます。
目標に向かって突き進むあなたに負けないように、私も頑張ります。
堂々と胸を張れる歩ける人間になってみせます。
私は私の目標のために歩いていきます。
いつかあなたの隣で輝きたいのです。
そえして私が成長できたら、あなたに伝えます。
あなたが大好きです、と。
それまで、しばしのお別れですね。
寂しいけれど、今は我慢します。
あなたのために、そして私のために。
あなたをこの町から、応援しています。
来年の今、こうして桜が舞う頃、また会いましょう。






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title:クロエ




 

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