▼Dear 六道骸
「骸くん、いる?」
ガチャリと部屋の扉を開けたなまえ。読んでいた本から顔を上げ、どうしました?と骸は首を傾げる。
「お前が部屋に来るとは珍しいですね、こんな朝早くに」
ニヤリ、と目の前のソファーに座り、隠すように持ってきた箱を机に置いた。
「happy Valentine!
チョコケーキ作ってきたよ。」
リボンを解いて、中のケーキを見た骸の顔が綻んだ。
「ありがとうございます、なまえ。」
「一切れだと足りなさそうだったし、ワンホール丸ごとね。あ、手作りだから早めに食べてよ?」
「大丈夫ですよ。今日中には食べてしまいますから」
「…太るよ……」
「おだまりなさい!」
ケラリと笑い、怒鳴る骸から逃げるようになまえは部屋のドアを開ける。
骸の部屋のデジタル時計は8時半を指していた。
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