XANXUSのお嫁さん
▼王子とカエルの探究心
深夜の闇に紛れて、動く影が2つ。
「んで、資料室って結局どこだよ」
「確かあっちですー。」
その影____ベルとフランは木の上から、ボンゴレ本部の資料室に消えた。
*
事の発端は今日の昼間、2人が任務をしている時に遡る。
「そういえば先輩」
「なんだよ。」
「セラさんとボスの馴れ初め、知りたくないですかー?」
「…なんかアテでもあんのか?」
「セラさんの家がボンゴレ直属なら資料くらいあるんじゃないですかね。
あそこまで仲が悪いワケ、までとはいかないかもしれませんけど、どうやって知り合ったかくらいはわかるんじゃないですか?」
「へー、カエルにしてはいい案じゃん」
「王子(仮)に褒められても嬉しくないですー。」
「ざけんな!」
…ちなみにこの会話、全て敵をバッサバッサと切り捨てながら繰り広げられていた。
*
本部に2人が行くことは伝えられていないし、目を通す資料によっては本部に消されかねない。暗殺部隊故の身軽さで窓を開けて中に入った。
人目につかないようにこっそりと資料室に忍び込んだ2人は、ろうそくの僅かな光で資料をめくり始めた。
「…あ、これじゃね?セラさんの顔写真載ってる。」
「本当ですねー。ここからじゃ見にくいんですけど、なんて書いてありますか?」
ロウソクのあかりだけでは2人が1つの書類を読めるほどの明るさにはならない。
自分が読んでから回すのもめんどくさい、とベルはフランに分かるよう、声に出して読み始めた。