XANXUSのお嫁さん
▼若気の至り
おい、カスザメ
その女を部屋に連れてけ。
低い声でXANXUSにそう言われ、殺気を肌で感じたスクアーロは冷や汗を流してセラの腕を掴んで部屋を飛び出した。
「な、ちょ、なんで僕まで!」
もう片方の手にマーモンの腕を掴んで。
ある程度部屋から離れたところまで走ると、ゼエゼエと息を切らして立ち止まる。
「スクアーロさん、大丈夫ですか?」
対して全く動じていないセラは、汗を流すスクアーロにハンカチを差し出した。
それを受け取り顔をふく。洗って返すなぁ、とハンカチをポケットに入れたとき、それまで黙ってたマーモンが叫んだ。
「セラさんはわかるとして、どうして僕まで連れてきたのさ!」
「うるせぇ!ボスさんの殺気から逃げるときに近くにいた奴の手つかんだんだよ!」
まあ僕もあの部屋から逃げたかったからよかったけど…とぶつぶつ呟くマーモンを連れ、セラとスクアーロはXANXUSの部屋から遠い一室へ。
最初XANXUSがセラにこの部屋を割り当てたとき、どうしてこんな遠くに、と思ったが今ならわかる。顔を見たくなかったのだろう。
「すいません、二人とも。私のせいで…」
まだ部屋に残ってる人にも申し訳ないことをしましたね…と眉を下げるセラ。
先ほどまでXANXUSに殺気を向けられていたというのに、そちらに怯える様子はない。
なんだこいつ…とスクアーロはドン引いた。自分でもあの殺気は恐ろしいというのに。
「いや、別にそれはいいんだけどなぁ…
なんであんなにボスさんと仲悪いんだ?」
「あー…昔、学生自体にちょっと…」
若気の至りってやつです、とセラは頭をを掻いた。
(こいつ…実は大物かぁ…?)