深海人魚の恋煩い
ある夏の日に君を見た。君は笑っていた。ぼくはどうしようもなくなって、月に涙を乞うた。
春に吹いたメランコリック
こい、こい。春よ、こい。
ぼくのおもいでつくりだした刃できみの心臓をつらぬくんだ
ありがとうと言ったきみにありったけの不幸せを
リボンで縛ったハッピーエンド
過去を演じる
未来を願う
今を燃やす
容赦なく照らす太陽に
藍が語る
おまえはひとりがすきなのね
何でもないと言ったのに、どうしてあなたは泣いてるの
銀色の思ひで
あいさつひとつで致命傷
じんわりとまとわりつくセピア色
君の瞳はほんとうに綺麗だね
樹海に投げ捨てたラピスラズリ
あまのじゃくは嘘を吐いた
滑らかな指が奏でる不協和音
嫉妬嫉妬嫉妬
きのうの君は美しかった
言葉なんてそんなもん
独りは嫌だ、怖い。そう泣きわめいた誰かを無視して世界は廻った。
遺伝子を分解
白い薔薇を赤に染める
君が笑うと色づいた視界
せかいの中心できみを殺める
すべてがまっ白になって崩れ落ちていく。そんな光景をきみはなぜそんなに愛おしそうに見つめるんだい
やねの上から見た景色はとても味気がないものだった


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