青空からの贈り物
空っぽのペットボトルを握り潰し、悟は乱暴に放る。
狭苦しい車の中はあまり好みではなく、ましてや真夏の気温の最中である。
車を動かすのも億劫になるというものだ。
夏の太陽はいやになるほどにまぶしい光を振り撒き、此方を干からびさせようとしているように見える。
早く秋になればいいのに。
悟は目を細めて眩しい光をシャットアウトする。
車のエンジン音が耳につく。
あまり車は好きではない。
輸送の為に必要なこととはいえ、自分のすきではないことをやらされるのは気が進まないものである。
悟の方は安全運転を心がけ気味に進んでいく。
先程喜が轢いたらしい人々がその辺に転がっているが、気にしては負けだと目を反らす。
所々で爆発音が聞こえる。
運び出す前の荷物が燃えている。
爆薬でも仕掛けられたらしい。
とりあえず今運んでいる物が無事であればいい。
悟は面倒事を無視した。
電話がかかってくるが苛立ち気味にワンコールで取り、すぐさま切った。
ペットボトルを投げた方向へ電話も投げようとするが、思い止まって電話はポケットにしまいこむ。
輸送はまだ終わらない。

続く
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