ωから始まる戦争記録
「……それで、そろそろなんだけどね?」
ぼそぼそと語るのは憂である。
涅槃はうんうんとうなずきながら話を聞いている。
手配の準備は他がやってくれたらしい。
他の奴等は見当たらないが、他のことをしているはずだと憂は追加した。
「……目立ちたくはないんですけどぉ、あの箱のサイズなら仕方ないですよねぇ」
涅槃も同じく人に聞こえにくい声で話す。
意図的なものはないが、元々こういった話し方しか出来ないのに、駅員として働く時は無理をして大きな声で話しているのだ。
研究員の涅槃として話す時は声が小さくなるのも無理はない。
「トラックは普通のにしましたよ。なるべく目立たぬように、時間を分けて運ぶのです」
やや機械的に語る。
憂は今回のことについてはどうでもよくおもっていた。
自分には関係がない。
何せ彼は自発的に研究をしたりといったことが全く無いからである。
全ては涅槃の指示があるから、それだけなのだ。
「はぁい、助かりますよぉ……楽しみですぅ……へへ」
にやにやと笑うところからして、いつもと同じ調子らしい。
「……邪魔者が入りそうですが、ルート輸入ルートでも変えましょうかぁ……ダミーでも用意すればなんとかなるでしょう……」
先ほどまで話していたというのに、涅槃は既に憂への興味を失せさせていた。

終わり
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