>> change

まだそれは春だった
逃げ切れない跡
明くる日の出来事
彼女の呼吸に合わせて世界が廻るのを確かに見たんだ
理性と思考の要らない時間
舐めたら甘い味がした
掴んだ右手の感触

途切れぬ残像の口付け

牙をなでる
溶けちゃうよ
きらきら落ちる
咽び泣く心臓
くちびるに蜜を仕込んで


番外編
くだらぬ想念に体温は上がる
リングアウトのあと
人体は禍福の受容器官

熟れゆく青はいつしか赤く
透明な首輪

あとがき

TOP

×