黒バス関連

コスプレの話

コスプレの話の前にあった出来事



「おはようございま〜す!」

玄関の扉を開けると、ピンク色の長い髪の女の子が紙袋を抱えて笑顔で立っていた。

『お、おはよう…?』
「すみません、提案があって来ちゃったんですけど。もし迷惑でなければお家にあがらせて頂いてもいいですか?」
『あ、はい、どうぞ…?』

とある休日。

今吉さん主催のストバス大会があるからと、朝から準備をしてそろそろ出ようかなという時間に、桐皇のマネージャーが家に襲来した。

もちろん住所は教えていない。

『住所、誰から聞いたの…?』
「まあまあ、そこは。」

個人情報なんだけどな。

高尾和成クンのせいかな。

『で、提案ってなに?』
「そうそう!名案があるんですけど!」

キラキラした瞳で桃井さんが迫ってくる。

「蘭乃さん、誠凛高校の制服まだ持ってますよね?」
『…持ってますね。』

だーからなんで知ってる!

「蘭乃さんと私は体格が似ています。そこで、私の制服と今日一日交換してもらうことってできますか?」
『どんなメリットがあるの?』

分かるよ、どうせ黒子くんとのアレソレでしょう。

「どうしてもテツくんと同じ高校に通ってる気分になりたくて…。」

やっぱりね。

『じゃあどうしてリコじゃなくて私なの?』

VORPAL SWORDSのこともあってリコの方が仲が良いはず。

桃井さんと私は殆ど話したこともない。

それに提案があると言ったからには私にもメリットがあることなのだろう。

「霧崎第一って、女の子の制服ないじゃないですか。男子校だから。」
『そうだね。』


まあ、バレてるよね。

花宮真とのことくらい。


「誠凛の夏服より、東欧の夏服の方がよっぽど霧崎の制服に似てるんですよ。」

そう言って、桃井さんは紙袋からリボンを出した。

花宮とのこと、咎めないんだね。

「見つけてきちゃいました。」
『…なにこれ。』
「霧崎第一のネクタイと同じ色のリボンです。東欧の夏服のリボンを取って代わりにこのリボンをつけたら。」

なんちゃって"霧崎第一の女子生徒の制服"が出来上がってしまう、というわけか。

「どうですか?」
『どうですかって、そんなことしても別に喜ばないと思うけど。』
「蘭乃さん。」

桃井さんが微笑んだ。

「ぜーーーったい!喜びますって、花宮さん。」
『桃井さんはどこまで知ってるのよ。』

桃井さんはリボンを私に押し付けて笑った。

「男はみんなそうなんだって今吉さんが言ってました。」
『…あの人の言うことは信用しちゃうよね。』
「今吉さんはすごいですよね。」

仕方ない、私が桐皇の制服を着るかは置いといて、桃井さんに誠凛の制服貸してあげよう。

あなたの熱意に敬意を表して。

この時、私は桃井さんの制服のスカートの短さを完全に忘れていた。




**





「おっかしーな。湧出ない。」

携帯をポケットに突っ込んで真ちゃんを振り返る。

ストバスコートへの道すがら、一応確認、と湧に電話したけど繋がらない。

「家まで行って見てくればいいのだよ。」

荷物は見ていてやろう、と上から目線なエース様の言葉にチャリを止める。

「じゃあこのチャリアカーどうなんの?」
「俺が漕いで行ってやろう。」
「え、めっちゃ優しいじゃん。」
「蘭乃さんのためだ。」

そう言って真ちゃんは今日のラッキーアイテム、巨大てるてる坊主(今日は快晴)を置いてリアカーから出た。

ここからなら走って行けば俺らの家まで10分かそこら。

「じゃあ真ちゃん頼んだ。俺湧見てくるわ。」
「さっさと行くのだよ。」

チャリアカーを置いて走る。

さすがにちょっと過保護すぎない?とは思うけど最近かなり生活習慣乱れてるっぽいしもしかしたら寝坊してるかも。

俺もたいがい世話焼きだなぁ、なんて思いながらそこそこ暑い中走っていたら。

前からピンク色の髪の目立つ女の子が歩いてきた。

「え、桃井さんじゃん!?」
「あー、高尾くーん!」

桃井さんが大きく手を振る。

けど何か変だ。

後ろに誰かいる?

「高尾くん、蘭乃さんが嫌がっちゃって!」
「え?!」

嫌がるってなに、ってかなんで二人一緒なの?!

走り寄って行くと、道路にしゃがみ込んで頭を抱える湧がいた。

「なに?!なんかあった?!」
「蘭乃さんに桐皇の制服着せたんだけどね。」
「はぁ?!」

湧の腕を無理矢理引っ張って立たせる。

「花宮さん喜ぶかなって霧崎のネクタイと同じ色のリボンつけたんですけど、スカートが短すぎるって…。」
「あー。」

高校時代、湧のスカートって膝上だった。

相田さんの方が短かったし、今でもショートパンツはよく見るけどミニスカって湧は履かない。

「え、めっちゃいいよ湧。な、桃井さん!」
「そうですよ!蘭乃さんとっても似合ってますよ!」

それから、なんとか二人で誉めそやして湧をストバスコートまで運んで行った。

モジモジしてる方がよっぽどエロいことに気づけよなー。




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コスプレの話本当に楽しかったです。
こういう花宮良いですね。
青空の下、彼女を自販機に押し付けて太ももに顔を突っ込む花宮くん。
興奮しますねぇ。

J-World行くことになりました。
今回すんごい混んでません?
グッズだけでもいいかなぁ。ゲームは無理かなぁ。

お気軽にコメントくださ〜い。
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