※マダラ…ことオビトさんにntrネタアリ ※オビトさん好きな方は注意 鬼鮫とアジトに戻るといつものおかえり、の声が無かった。鬼鮫はなまえさんいませんねぇ、といいつつ部屋に戻っていった。一人残り不審に思って辺りを見回すが、いつものなまえの姿がどこにもない。 「…なまえを探しているのかしら」 無数の紙を纏って現れた小南さんに黙って頷くと、小南さんは小さく笑って続けた。 「なまえは任務中よ」 「任務…ですか。彼女は医療忍者です。前に出るような任務には向かないし、そもそも誰といってるんですか。危険ではありませんか」 「落ち着いてイタチ。…あなたなら知ってるでしょう、マダラを。今日はマダラと二人で任務よ」 「…っ、」 小南さんから出た名前に下唇を噛んだ。小南さんがもう一度落ち着いて、と繰り返した。 「…大丈夫。ただの買い出しだもの」 「なっ」 「一人で行くには荷物が多くて、ペインか私に一緒に行こうと声をかけたんだけれど。私もペインも雨隠れで仕事があって、見兼ねた彼が行くって名乗り出たのよ」 「…珍しいこともあるもんですね」 「拗ねないでイタチ。…マダラはなまえを大層気に入ってるわ。心配しなくても無事に帰ってくる」 小南さんがお茶を入れてくれて、そのまま部屋へ戻っていった。なまえのために買ってきた団子が少し冷めてしまっていた。 あのマダラとなまえが一緒にいるだけで心がこんなにもざわつくのか。よりによってマダラだ、心配になるのも当然だろう。 「…寝るか」 一人呟いて部屋に引っ込む。きちんと片付けてくれた俺の部屋に、微かに残るなまえの香りと、彼女が残していった、すぐ戻るから心配しないでね、と書かれた置き手紙に胸が締め付けられた。 「…イタチ、」 部屋に人が入る気配で目が覚めた。なまえだ。本当に無事に帰ってきてくれたことが嬉しかったが、素直になれない俺は寝たふりを続けた。 「…怒ってるのかな、」 寝台の横に座り込み、俺の寝顔を眺め髪を撫でるなまえ。もう一度名前を呼ばれたが、まだ寝たふりを決め込んだ。 「…イタチってば、」 しばらくすると嗚咽を上げる声が聞こえた。慌てて寝返りをうつと目を真っ赤にしたなまえがいて、手を伸ばして撫でてやった。 「…どうして」 「すまない、お前があいつと出かけたと聞いて、俺は…」 「ばかね、…マ、マダラさんとは何もないわよ。まだ信用できないの?」 もう一度、ばか、というなまえの手首を掴んで抱き寄せる。ぎゅぅとその身体を腕に収めると夜道の寒空で冷えたのかいつもの香りと冷えた身体の差に驚いた。 「…イタチ、今日、しよう」 「…何か、あったのか」 「なんも。でも、欲しくなったの」 ちゅ、と音を立てて首に吸い付くなまえが甘く囁く。髪に手を入れ撫でてやるとまた名前を呼ばれた。 「…マダラさんさぁ、」 なまえの口から出たその名前に、ぴくりと身体がはねた。彼女とマダラ、短時間の間に何があったのだろうか。なまえはマダラからその治療の腕前を買われ、直接スカウトされた身だ。他のメンバーと違ってマダラの存在も良く知っているとは聞いていたけど、それが上下関係なのか、はたまた男女の関係なのか、俺はまだ知らなかった。 「…マダラがどうした」 「悲しそうだったのよ。私と話してても、自分の計画が正しいのかどうか、まだわからないみたいというか」 「なまえ」 「私はマダラさんの計画に納得してついてきてるから、何があってもあなたとマダラさんの味方だけど「今は俺だけを見て欲しい」 自分の口から出た思いがけない言葉に、俺もなまえも驚いた。ごめんなさいと紡ぐその唇を塞いで押し倒す。なまえの長い髪が踊った。 「…イタチ、大好き」 「俺もお前が好きだ」 「愛してるって言って」 「愛してる、ずっと、誰よりもだ」 ぎゅぅと抱きつくなまえとそれを受け止める俺、そんな俺たちをあざ笑うように利用し弄ぶマダラ。俺の狭い世界に完全なものなど何一つない。 「…お互い今日は変な日だね」 「そうだな…疲れているんだろうな」 「ごめんなさいね。…マダラさんと話すの、久しぶりでいろいろ驚いちゃって」 「俺もお前を不安にさせた。お互い様だろう」 「…イタチ?」 「なんだ?」 「何も心配しなくていいから、私、あなたのこと一番に愛してるから。あなたの一番が弟でも、ずっとね」 「…っ、」 堪らずまた唇を奪い、そのまま乱暴に服を脱がす。すっかり肌けたなまえの肌が、微かに赤くなっていたのを見抜けない俺ではない。 なまえはきっとあの男に犯された。だから珍しくしたい、と言ってきたのだろう。なまえの汚れた身体を洗い流せるのは俺しかいない。赤くなっているそこに唇を付け、はっきり跡を残す。 俺は確かにサスケを想っているし、大切な存在ではある。しかしなまえは、俺にとっての一番であるという自覚が足りていないように思う。ぎり、と押し付けるようにその身体を寝台に縫い付ければなまえがまた涙を流した。 「…馬鹿だな、俺もお前も」 「そうね」 はやく、と煽るように背中をしならせた。なまえの身体が欲を直接煽る。 「次は正直に話してくれよ」 「…ごめ、なさ、」 「なまえ…愛してる」 「一番?」 「一番だ、サスケよりも、な」 「そ…そんなこと、「もういい、我慢できない」 完全なものなど何もない。不完全なもの同士、互いの温もりで溶け合うにはちょうどいい。 2014/12/14 |