※オビトでなくマダラ呼び ※暴力表現注意 金魚草 「…痛いよマ「その名で呼ぶな、」 ギリィとマダラの指が私の手首に食い込んだ。天井とマダラ…本当はオビトだけど、それしかない視界に、苦痛で歪むマダラの表情が煽情的だった。 「でも、アジト内だし…ペインや小南に聞かれたら…」 「…そう、だったな」 そこまで言って降るマダラのキス。ん、と小さく声を上げると少しだけ彼の表情が和らいだ。 「穢土転生で本物が蘇るまでは我慢しなきゃだよ」 「…はぁ、そうだな」 「…マダラが本当のこと、話してくれたの、すごく嬉しかった」 そう言えばマダラは、そうか、とだけ言った。 そのまま私に覆い被さり、這いずり回るマダラの舌。小さく声を出す私を撫でつけながら、私の足の間に身体を滑り込ませる。秘部にマダラの足が当たるだけで少し濡れる自分の身体が憎い。 ずいぶん教え込まれた私の体はマダラに触れられただけでいとも簡単に蕩けていく。嬉しそうに口の端を上げるマダラは、今度は深いキスをくれた。 「…ん、ふっ、」 「なまえ…」 いつものように情事にいくと思えば、私に体重を預けるように抱きしめるマダラ。黒髪に手を通せばもう一度小さくなまえ、と囁かれる。彼は甘くささやくのが大好きなようで、耳元で響く低い声にきゅうと心臓が掴まれる。 「もう少し、もう少しだ」 「…えぇ」 「それまでは必ず生き延びろ、命令だ。…俺は何よりもお前を失うのが怖い…」 「リンさんに似てるから?」 その言葉を出して、それが無意識に出たのに罪悪感を感じた。心のどこかで感じていた蟠りが、緩んだ口元からぽろっと出てしまった。私はマダラにすごく愛されていることは、十分わかっているはずなのに。それでも瞳の先に私がいない気がして、愛撫されている間も信用しきれない私がいた。 「っ、ごめ、忘れて」 マダラが私の首筋から顔を上げると、私の顔を平手で打った。ぱぁん、と乾いた音とジンと染みる私の頬。涙を少し浮かべて見上げると、ふざけるな、とマダラが激昂した。 「どうして…俺がどれだけお前を思っているのかどうして伝わらない…!」 「…ごめ、なさい…マダラ…」 「…っ!」 もう一度マダラが手を振り上げ、思わず目を閉じる。痛みがくると思えば、乾いた音は聞こえなかった。目を開けた先のマダラは、先ほど叩いたばかりの私の頬に手を添える。何度もその手を上下させて撫で、すまない、とだけ言った。マダラのそんな悲しそうな顔は見たくない。私は本当にバカだ。 「私が悪いの。ごめんね、嫉妬なんてみっともないよね」 私がそう言うとマダラは力を抜いて座った。ぎゅうとマダラの首に抱きついて、何度も謝罪の言葉を繰り返す。ククッと喉で笑うマダラが私の首筋に吸い付いた。 「…過去、か。俺は、お前の過去も今も未来も全てが欲しい」 「…マダラ…」 「それをわからせてやる、こい」 それだけ言うと再び唇に噛みつかれるようなキスをする。卑猥な水音とマダラの香りが頭の中で一杯に広がり、視界が白くなった。 「……おはよ」 「あぁ。…痛くはないか?」 「ん?」 すっかり服を着込んだマダラが私の身体を抱き寄せ、膝の上に乗せる。マダラの長い指が私の頬を走る。あぁ、と思わず声を出した。 「全然。むしろ、私こそごめんなさい」 マダラの胸に頭を預け、小さくなる私の全身をマダラが包んだ。ぎゅうと抱きしめてくれるマダラが愛おしくて仕方ない。 「…確かに、あれは悪い子だ」 「ごめんなさい…」 「俺も叩いたから、同じだろ。気にしなくていい…ただ、これだけは忘れるな」 「うん…?」 せっかく着たばかりの下着のホックをマダラが外す。ちょっと、という私の制止を無視してベットに縫い付けられた。 「お前を心の底から愛してるのは、まぎれもない事実だ。嫉妬なんてしなくていい」 「うん…」 「嬉しかったがな、なまえがあんなに素直になるのは珍しいからな」 ククッと笑うマダラに私も笑いを零した。そのまま今日初めてのキスをして、再び交じりあった。 2015/01/03 |